看護師国家試験出題基準 平成30年版

厚生労働省医政局看護課 平成29年4月25日

保健師助産師看護師国家試験出題基準の利用法 

 利用者は以下の各項に留意し、利用すること。なお、各項目は、保健師助産師看護師国家試験問題の出題範囲という観点から配列されているため、必ずしも学問的な分類体系と一致しない点があるほか、各科目や項目間で内容が重複することがある。
 

1. 目標 

目標は、保健師助産師看護師国家試験における出題のねらいを示している。この出題のねらいを踏まえ、大・中項目の記載内容によって、保健師、助産師及び看護師として少なくとも具有すべき基本的な知識及び技能について出題する範囲が示されるものである。 
 

2. 大・中・小項目の位置付け 

1)大項目 
中項目を束ねる見出しである。なお、中項目の記載と併せて「出題の範囲」を示すことがある。 
2)中項目 
保健師助産師看護師国家試験の「出題の範囲」となる事項である。 
3)小項目 
中項目に関する内容を分かりやすくするために示したキーワードである。よって、小項目の表現や記載の有無に限らず、中項目で記載された内容が「出題の範囲」となることに留意する。 
従って、「出題の範囲」は記載された事項に限定されず、標準的な学生用教科書に記載されている程度の内容を含むものとする。
 

3. その他 

1)括弧書き 
提示する同一事象に対し、異なる表現がある場合には、括弧書きで提示している。試験委員の判断により、括弧内・外の語を単独又は併記して使用できる。 
なお、括弧は以下の規定により用いている。 

  < > : 直前の語の言い換え 

①正式名称と比しても略語の周知度や重要度が高い場合 
②和名と英名等によって同義語を記載する場合 
③人名を冠した用語において原語を併記する場合 
例 ; 世界保健機関<WHO> 権利擁護<アドボカシー> 
Apgar<アプガー>スコア など  

( ) : 直前の語のさらに下位項目 

①直前の語の具体的な例示が必要な場合 
②特に重要な事項を示す場合 
例 ; 情報管理(個人情報の保護) 肺循環障害(肺高血圧、肺塞栓症)など   
2) 読点「、」 及び 中点「・」 
関連する語を列記する際に、読点「、」及び中点「・」を以下の規定により用いている。ただし、検索の利便性を確保する観点から、索引には中点を使用せずに掲載している場合がある。 
読点「、」 : 単純に列記する場合 
例 ; 肺癌、胃癌 粘膜、皮膚 アスベスト、放射性物質 など 
中点「・」 : 前後の語での重複を排して列記する場合、英熟語を使用する場合 
例 ; 転倒・転落の防止 羊水の量・性状 インフォームド・コンセント など 
 

改定の概要

看護師国家試験出題基準 看護師国家試験においては、健康課題を持つ人々を生活者として捉え、身体的・精神的・社会 的に統合された存在として幅広く理解した上で、個人や家族及び療養の場の多様化に併せて、 必要な看護サービスを提供するための知識や能力についての出題内容の充実を図るよう改定を行った。各科目における改定の概要は以下のとおり。

【必修問題】

○他科目との整合性を踏まえて具体的な用語を見直したほか、基本的な臨床検査値の評価、輸 液・輸血管理の基本などについて項目を追加し、災害看護の項目を削除した。

【人体の構造と機能】

○他職種と共通の知識体系が築けるよう、基礎医学教育における体系や用語との整合性を踏まえて、全体について改めて項目を整理した。

【疾病の成り立ちと回復の促進】

○疾病の予防、及び近年の状況を踏まえた再生医療や薬剤耐性<AMR>などの項目を追加し、 疾病に対する医療について項目を整理した。
○基礎医学教育における体系や用語との整合性を踏まえ、各機能別の障害について、改めて項目を整理した。また、アナフィラキシーショック・敗血症等の全身性の障害や精神機能の障 害について、項目を追加した。

【健康支援と社会保障制度】

○社会背景や看護を取り巻く状況と課題について、近年の状況を踏まえて具体的な項目を追加 するとともに、社会保険及び社会福祉に関する法や施策と制度、公衆衛生や健康支援に係る項目について体系的な整理を行った。

【基礎看護学】

○「必修問題」や「看護の統合と実践」など他科目との重複内容について全体的に整理し、輸液・ 輸血管理、保健・医療・福祉における連携など、基礎的かつ重要な項目について追加した。

【成人看護学】

○急性期、救急・クリティカルケア、周手術期、慢性期、セルフケア・社会的支援の獲得、リハビリ テーションなど、各期における看護の基本について、体系を整理した。
○各機能障害のある患者については、アセスメント/検査・処置/治療/看護を体系的に問うこと ができるよう、項目を整理し具体的に明示した。

【老年看護学】

○様々な健康状態・受療状況・生活の場に応じた高齢者への看護、高齢者に特有な症状・疾患・ 障害への看護について、体系的に問うことができるよう、項目を整理・追加した。

【小児看護学】

○子どもの成長・発達の特徴や生活に応じた、子どもと家族への支援について、項目を整理・追加した。 
○疾患に対する子どもの理解と説明やプレパレーション、診療・入院等が子どもと家族に与える 影響、多様な状況にある子どもと家族への支援などについて、項目を整理・追加した。

【母性看護学】

○リプロダクティブヘルス、ウィメンズヘルス、妊娠・分娩・産褥・早期新生児期の各期における 看護に必要な基本的事項、周産期医療システムなどについて、体系的に項目を整理・追加し た。
○特に、性の多様性、生殖補助医療、出生前診断等における倫理的課題、及び暴力・虐待等の 防止など、女性の理解や看護に必要となる近年の社会背景を踏まえた具体的な項目を追加した。

【精神看護学】

○精神看護の対象となる主な疾患・障害の特徴と看護について、症状/検査/薬物療法などを体 系的に問うことができるよう、項目を整理し具体的に明示した。併せて、生物・心理・社会的側 面に注目した支援についても項目を整理した。

【在宅看護論】

○小児・認知症・精神疾患・難病等の特徴的な状況にある在宅療養者、及び医療管理を必要と する在宅療養者への看護について、体系的に問うことができるよう、項目を整理・追加した。
○療養の場の移行や地域包括ケアシステムにおける多職種連携と看護について、項目を整理・ 追加した。

【看護の統合と実践】

○複数科目の知識を統合する能力を問うことや、多重課題や集団としてのアプローチに必要な 広い知識を統合する能力を問うことなど、複合的な事象において、より臨床実践に近い形で知 識・技術を統合して判断する能力を問う出題内容となるよう、大・中・小項目を新たに作成し、 全体の見直しを図った。
○災害と看護、及び国際化と看護について、小項目を新たに作成した。看護におけるマネジメン トについては、「基礎看護学」との重複内容を整理するとともに小項目を新たに作成し、保健・ 医療・福祉の機能分化と連携や人材育成・活用などの項目を追加した。