はじめに


 
前回の『合格の桜満開』の中で紹介した学習事例に全国から大反響があり、今回、続編を発行しました。
 
『合格の桜満開』は先輩合格者の証言をもとに書き綴りました。今回の『実習合格マニュアル』は、看護学生が悩み・苦しんでいる看護実習の取り組み方を思考型学習の観点で解説しています。
吉田ゼミナール 講師 小山忠司
 
 
 


『基礎学力がないのが理由です』ってこれ本当? 

 
 
『思考型学習』とは、国語や算数などの基礎学力を強化するものではなく『思考する力』を養うものです。この思考する力が問題を解決する能力ともいえます。問題解決能力があれば国試勉強も実習も就職してからも大丈夫。基礎学力がないのが問題ではないのです。問題解決能力が重要なのです。

 
問題を解決するためには大きく分けて2つの力が必要です。問題解決のための案を想定する創造力。いくつかの案から最善のものを導き出す論理性。私が提唱する『思考型学習』はこの2点を伸ばしていくものです。
 
では、本当に、思考型学習をすれば、看護実習も国試対策も一機に解決するのか、ゆっくり紹介していきたいと思います。
 
 
基礎 学力がないから看護の展開ができないのでしょうか?
 
 

 

 


欲求と原動力が創造力となる

 
 
人間の行動は、何かの欲求を感じることからスタートします。ここはこうしたいとか、これがほしいとか、この 欲求が原動力となり、創造力につながっていきます。
 
例えば、お腹が減ったな・・・と思い、時計を見ると11時。まだお昼までには1時間はあります。
とりあえず何かを食べたい!という欲求が起こるでしょうが、昼休み前にお
昼ごはんにしようか!と融通がきく職業はほとんどありません。空腹感が強く、昼までもちそうにありませんがお昼ごはんまで、この空腹感をどうにかしなければなりません。
 
昼休みまで後1時間あるんだけど、自分が何かを食べたいのに食べてはいけないという葛藤を解消するために、問題解決脳力を使ってこの葛藤を解消する必要があるのです。
 
先程、問題解決には創造力と論理性が重要だといいましたが、この場合、どういった解決策が想定されるのでしょうか。創造力を駆使して考えてみましょう。
A 10分の休み時間にお弁当を食べる
B とりあえず、おまんじゅうを食べる

C ジュースを飲む
D 空腹でないと思い込む
 
これは全て立派な解決策です。どうにか、何かを食べたいという欲求を何かの形で解決する、これでどうにか12時まで仕事がこなせるようになります。
 
この人のなにげない解決策ですが、専門的にいうとA、B、Cは問題解決中心型の対処行動で、Dは情動中心型の対処行動になります。
 
しかし、この中で考えてほしいのですが、なにが妥当かということです。お弁当をお昼前の10分の休み時間に食べてしまうとお昼のお弁当の時間に食べるものがありません。 
 
おまんじゅうを食べるとお昼ごはんが美味しく食べられません。
ジュースを飲んでも同じことです。空腹でないと思い込むのもかなり根性が入りそうです。このようにそれぞれの案にはそれぞれリスクも伴っていて、どれが最善なのかは人によって様々です。
 
A~Cの中で、今、何が最もよい解決策なのか選ぶこと、これが論理性です。 
 
 

 
 
何か問題が生じた時、それにはどういう解決策があるかを想定し、その中から最も妥当性の高い解決策を導き出す、この一連の思考過程が『問題解決能力』なのです。
 
私は、人間が一つの行動を起こすとか、社会で充実して生きていくということは、創造力と論理性、簡単にいうと、問題解決能力が必要だと思っています。これを身に付けていれば、別に看護であろうが、介護であろうが、はたまた、営業さんでも販売員さんでも、自分の役割をキチンとこなせるので、充実した毎日を送ることができると思います。

では、問題解決能力を使って看護過程の展開をしましょう。

 


実際に看護の『問題解決能力』を考えてみると!


ここからは、過去十数年の間に学生からいただいた質問や相談、また、実際に授業に出向いていって先生方から聞かせていただいた悩みから、この本を綴っていきたいと思います。
 
まず始めに、コミュニケーションのことから説明していきたいと思います。一生懸命努力したのに、どうして相手に意思が伝えられないのか・・・。
 
こういった悩みをよく聞きますが、まずはこの点から学習を進めます。
 


コミュニケーションが上手くできない?

 
 
看護の実習をする上で、私たちは患者様が「健康になる」という共通の目標に向かコミュニケ
ーションが上手くできるって行動をするのですが、私たちも患者様も一人の人間なんです。品物や情報と違って、日々、感情に揺れ動くことがあります。
 
 
 
すなわち、同じ目標に向かっているつもりでも、患者様も、看護する私たちも心が揺れ動くわけで、 いつも同じ方向性、同じ気持ちとは限らないのです。
 
私たちの仕事は、その変化していく状況の中で適切な時に適切な関わりをしていくことです。 リアルタイムの感情の動きを読み取って対応することが必要とされますが、それに欠かせないのがコミュニケーションです。
 
患者様の気持ちや考え方患者様とコミュニケーションが上手くとれていなければ、今の患者様の気持ちや考えは分かりませんよね?同じように、患者様に私たちの気持ちや考えは伝わりません。
 
これでは、患者様が健康になるという共通の目標は達成できないのではないでしょうか。
 
しかし、コミュニケーションを苦手とする学生は多いのが現状です。
 
中でも、私のところに質問に来るなかで最も多いのは、 事務的な接し方をして失敗するパターンの学生です。コミュニケーションを成功させるためにはお互いに心を開くことが大切です。事務的な接し方では患者様の心は開かないのです。患者様はお年寄りの方が多いと思いますが、自分の孫のような年代の人がやってきて毛嫌いする人は、 まずいません。
 
そんな人たちが、なぜ心を開いてくれないかというと、学生本人が心を開かないからです。自分の心を開くことを避け、話しかけたとしても、相手は警戒心を崩しません。知らない人にたくさん質問されると誰でも嫌ですよね?
 
そういうことなんです。
 
これがただ必要なことだけを聴く・・・という事務的な接し方をしてしまっているパターンです。患者様とコミュニケーションをとる時は、自分の自己紹介を兼ねて、『自分はこんな人間なのですが・・・』ということを話してみるもの一つです。
 
 

 

 


事前学習のここが大切!

 
 
あなたが内科病棟、糖尿病専門病棟などの実習でこのような患者様を受け持つことになった時、一体何を事前学習しなければならないか。
 
糖尿病というのは
① 糖尿病の誘因は?
② 糖尿病ってどんな病気?
③ 糖尿病の症状は?
④ 糖尿病の合併症は?
⑤ 糖尿病の治療・看護は?
 
この一連の過程が『看護過程の展開』であり、看護の展開を予想して分からないところをあらかじめ調べておくのが『事前学習』です。
 
糖尿病の場合には①~⑤のような看護過程の展開が予想されます。すなわち①~⑤の質問に答えられるような事前学習が必要です。

 


根拠が大事!

 
 
皆さんは実習中に『根拠は何?エビデンスは何?』と指導者から聞かれたことはありませんか。恐らくあるはずです。実際に、糖尿病の患者様を想定して根拠、エビデンスの重要性を考えていきたいと思います。
 
 
重度の糖尿病の患者様が入院してきたとします。
 
 

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