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でもここで問題があります。炭水化物・・・と思い浮かべる食物にはタンパク質を含んでいるものが多いのです。 
 
例えば、ご飯。実はご飯にもタンパク質が含まれています。同じように小麦粉もタンパク質を含んでいます。小麦からつくられるパンや麺類もタンパク質が含まれているのです。こう考えるとエネルギー量を補うために炭水化物を摂るというのは随分難しそうです。
 
ではどうすれば・・・。
 
あと一つ残っていますよね。脂質です。腎臓が悪くなった人は脂質を多めにとることでエネルギーを補っています。例えば素揚げという調理法がありますが、食材を揚げて脂質を増やすことでエネルギー量を補う工夫をしているのです。
 
腎症の方への栄養療法はこういった工夫がされています。
 

  

神経障害への対応

末梢神経障害として一番要注意なのが足壊疽です。末梢神経が障害されると知覚神経が麻痺していきますが、なかでも足の知覚が麻痺しやすいといわれています。知覚が麻痺している足は、本人が気が付かないうちに擦り傷などの皮膚損傷が起こり、易感染状態も手伝って足壊疽にまでなる危険性があります。
 
足壊疽になると壊疽した方の足は切断しなければなりません。最悪の事態です。これを防ぐためにフットケアが重要視されています。患者様にフットケアを施したり、足壊疽について注意を促す教育プログラムを組むのも一つです。
 

インスリンの打ち方

糖尿病の原因が生活習慣であるだけに、教育的な関わりがケアとしてよくあがっているのが分かるでしょうか?運動習慣や食習慣のことだけでなく、インスリン注射の仕方も教育的な関わりが必要な部分です。
 
糖尿病になり、インスリンの投与が必要になると、半永久的にインスリン注射が必要になります。インスリン注射がどういうものか説明し、自分で実施できるように指導していくことが必要です。
 

 

実際の病院実習では?

 
ここでは、具体的に情報収集ということを考えていきたいと思います。
 
皆さんの学校ではアセスメントツールというものを使っていますか?
 
ほとんどの学校ではアセスメントツールという用紙に情報をまとめていきます。アセスメントツールを使って、情報をカテゴライズするわけですが、ゴードンにしろ、NANDAにせよ、人間というものを把握することに変わりはありません。
 
ここがキーポイントです。例えば、ゴードンの考え方だとこっちの側面はないですよとか、NANDAだとこの側面はないですよ、ということはありません。どの理論家を参考にしたアセスメントツールでも、角度が違うだけで、一人の人間を見ていることに変わりはないのです。
 
そのため、情報を収集する際には患者様を包括的に捉える必要があります。病気だけをみない。性格だけをみない。家族だけをみない・・・。アセスメントツールにとらわれず、患者様を一人の人間としてみる視点を育てましょう。
  
また、情報収集で重要なのは事前学習です。事前学習をしていると看護問題として上がりそうな情報が何気ない関わりの中からでも浮かび上がってくるはずです。
 
例えば、患者様に挨拶に行った時、素足、足趾間に皮膚の落屑がみられました。事前学習をしていない人は見逃すか、ただ『不潔・・・』で終わるかもしれません。
 
しかし、事前学習ができている人は白癬症の既往を疑うはずです。白癬症は糖尿病の人が罹患しやすいといわれ、重症の場合は二次感染を起こし足壊疽になりかねない病気です。ここに気付けるかどうかが事前学習にかかっています。そしてこの情報は看護者として絶対に見落としてはいけない重要な情報なのです。
 

 
 

付箋紙記録法

  
私は学生に『付箋紙を使ってメモを取りなさい』といいます。付箋を使って情報を取れば、カテゴライズするときに便利なのです。
 
情報を一つずつ付箋紙に書いてメモしておけば、後からカテゴライズするときに書き写す手間が省けるからです。付箋は落としやすく、学校や実習先の病院によっては難しい場合もあるので、できる場合とできない場合がありますが・・・。付箋は患者の関連図を書くときにも便利なのでアセスメントツールから患者の関連図を起こすときにもお勧めです。
 
実習に慣れてくると、ある視点が強化されます。それは今の情報で何が足りないか・・・という視点。看護過程を展開する初めての実習では、情報を取ることに精一杯ですが、だんだん慣れてくると自分の持っている情報以外にどんな情報を収集してくる必要があるのか・・・と考えられるようになります。自分の頭の中にアセスメントツールができ上がってくるのです。
初日の関わりでは得られなかった情報が、虫食い状態で頭の中になんとなくでき上がってきて、2日目には残りの虫食い部分を収集していくといった感じです。
 

 
実習1日目

 
実習2日目

自分は何の情報が取れていないのか、
虫食いの部分が分かっていることが
大事! !
 
 

 

  
ここで注意したいのが情報の引き出し方です。
 
患者様の病態認識や意向などを確認する時は患者様に直接聞く必要があります。しかし、患者様に失礼な聴き方をすれば情報を聞き出せないばかりか患者様との関係を悪くしてしまいます。患者様に何か尋ねる時にはそれなりの注意が必要です。
 
例えば君が経済的なところがよく分からないと思ったり、宗教的なところが分からないと思った時に『経済的に安定していますか?』とか『宗教はなんですか?』と聞くのは失礼でしょう。
 
 
患者様に看護していく上で、この聴き方は避けたほうがいいです。こういう場合は世間話のようにしゃべればいいと思います。例えば『ご家族は何人いるのですか』という質問をすると、経済的にどうなのか聴き出せる可能性があります。家族が多いとそれだけお金も必要だからです。
 
患者様と『おじいちゃんは他界して』とか『おばあちゃんは他界して』という会話から『遠ければお墓参りとか大変ですけど、ご近所にお墓ってあるんですか?』と更に聴いてみると、宗教的な価値観も見えてくると思います。
 

 

系統的な情報収集とは? 

 
 系統的・・・とは、ものごとを順序立て組み立てることをいいます。順序立てて物事を組み立てるためには、たくさんある情報の中から必要な情報をピックアップして筋を通すことが必要です。これが系統的な看護です。君の看護過程を系統的にすることは、看護を正解に近づける努力であり、看護そのものです。実習の指導者や先生は君にその部分をいつも問いかけています。『何でこう思うの?』『何でこうするの?』とよくいわれませんか。それは君に系統的な看護ができているかどうかを聞いているのです。
 
情報収集は系統的な看護を展開するための基礎になる部分です。
 
系統的に情報収集をするには、予め自分が聴きたい情報を知っていることが大切です。ただ漠然と会話をするのではなく、自分が必要な情報を整理しておき、会話の中からその情報をピックアップしていくのです。そのために必要なのが事前学習です。
 
例えば糖尿病の場合、原因に生活習慣があると事前学習ができていた人は、患者様の生活習慣を聴き出すように言葉を組み立てます。系統的な情報収集をするには会話の中から食習慣や運動習慣を聞き出すことが必要なのです。
  

 

妥当性のある看護

 
看護行為が妥当であると評価されるなら患者様にその看護を実施する価値があります。指導者も先生も『じゃあ、やってみなさい。』となるでしょう。
 
妥当性を持たせるということは系統的に看護をしているということです。その看護行為に対して『○○だからこういう看護をしています。』と説明できれば、それは系統的な看護ができていて、妥当性のある看護といえます。自分が実施している看護行為にいつも○○だから・・・という理由がいえるようにしましょう。
 
そういえるような看護展開が妥当性のある看護です。
 

 

この章の最後に!

 
思考型学習が実習にどういかされているか、ここまでの内容でうすうす感じとることができたのではないでしょうか。看護過程は看護を系統的に展開することで看護に妥当性を持たせる思考過程です。それには患者様の今後予想されるいくつかの状況を考えて(創造力)、論理性のある方法を探っていくことが必要です。これは私たちが十数年間ネットで教え続けてきた思考型学習の本質と合致します。
 
思考型学習は君の看護展開をよりパワーアップしてくれるものなのです。患者様を取り巻く環境は日々変化します。その変化を読み取って、ではどうすればいいのか?たくさんのことを想定して考える(創造力)。
 
そしてその中から最も妥当性の高い選択肢を採用していく(論理性)。これを繰り返していきましょう。
 
急性期などでは看護の展開が速く、昨日収集した情報が今日には不必要になるといったことも多々あります。でもあきらめてはいけません。思考型学習を実践して、創造力と論理性で変化していく患者様を追いかけていきましょう。そうしていくことがあなたを看護師として成長させてくれる、唯一の道なのです。
               

第2章では、情報収集と病態関連図の作成です。

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