108回国家試験 AM31-60

問題31 手の写真を示す。

写真の斜線部分で、正中神経の圧迫によって知覚異常を生じる部位を示しているのはどれか。
1.A
2.B
3.C
4.D
問題31  解答 3
問題31 解説 正中神経は手首の直下の手根管を通って、前腕から手掌へと通過している部位で正中神経が圧迫されると、手指のピリピリした異常感覚(主として1~3指)がみられる。

問題32 疫学的因果関係があると判断できるのはどれか。
1.要因と疾病の関係が生物学的研究で得られた事実と異なる。
2.特定の要因と疾病の関係に特異的な関連が存在する。
3.要因と疾病の関係でオッズ比が1である。
4.要因と疾病の関係が散発的である。
問題32  解答 2
問題32 解説 関連の特異性では特定の要因と疾病の関係に特異的な関連が存在する。

問題33 平成27年(2015年)の日本の結核対策で増加が問題とされているのはどれか。
1.新登録結核患者数
2.菌喀痰塗抹陽性の肺結核患者数
3.外国生まれの新登録結核患者数
4.新登録結核患者における20歳代の割合
問題33  採点除外等の取扱いにより 解答3または4

問題34 トータル・ヘルスプロモーション・プラン〈THP〉で実施されるのはどれか。
1.がん検診
2.健康測定
3.一般健康診断
4.特定健康診査
問題34  解答 2
問題34 解説 健康測定では、問診、生活状況調査、診察、医学的検査、運動機能検査、運動指導票等の作成がある。

問題35 健康寿命の説明で適切なのはどれか。
1.生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。
2.2013年の健康寿命は2011年よりも短い。
3.2013年の健康寿命は女性より男性のほうが長い。
4.平均寿命と健康寿命の差は健康上の問題なく日常生活ができる期間である。
問題35  解答 1
問題35 解説 健康日本21(第二次)では生活習慣病を予防して健康寿命を延ばす取り組みが行われている。

問題36 指鼻指試験で評価する項目はどれか。
1.小脳機能
2.表在反射
3.深部知覚
4.複合知覚
問題36  解答 1
問題36 解説 小脳・脳幹の障害をきたした患者や小脳・脳幹部の障害を疑われる 場合に行われ、運動失調の有無を観る。

問題37 静脈血採血時に使用する器具の取り扱いで適切なのはどれか。
1.真空採血管で採血する場合は素手で行う。
2.抜針した採血針はキャップをして破棄する。
3.針専用の廃棄容器は実施者の手の届く範囲に置く。
4.針専用の廃棄容器は廃棄物が投入口まで達したら交換する。
問題37  解答 3
問題37 解説 鋭利器材を使用後にすぐに捨てられるよう廃棄容器は近くに置く等、廃棄システムを構築することが重要である。

問題38 便秘を訴えている患者の打診のアセスメント項目で適切なのはどれか。
1.固い腫瘤
2.筋性防御
3.叩打痛
4.鼓 腸
問題38  解答 4
問題38 解説 鼓腸は、胃腸にたくさんのガスが溜まった状態で、腹部がはり、たたくとポンポンと鼓を打つような音がする。

問題39 夜間の睡眠を促す方法で適切なのはどれか。
1.朝、起床後に日光を浴びる。
2.2時間以上昼寝をする。
3.夕食後、カフェインが含まれる飲み物を摂取する。
4.就寝前に過ごす部屋の照明は1,000ルクスとする。
問題39  解答 1
問題39 解説 活動性を高めるため、日中に軽い身体的疲労感を生じるような運動や作業を勧めてみる。

問題40 歯ブラシを用いたブラッシングで歯周ポケットの清掃に適しているのはどれか。
1.バス法
2.スクラブ法
3.ローリング法
4.フォーンズ法
問題40  解答 1
問題40 解説 歯ブラシの毛先と歯と歯肉の境目に45°の角度にあてて、軽く小刻みに動かして磨く。

問題41 右中葉領域で粗い断続性副雑音(水泡音)が聴取された場合の体位ドレナージの体位を図に示す。

適切なのはどれか。
問題41  解答 2
問題41 解説 体位によって重力を利用して少ないエネルギーで効率よく痰の喀出を行う方法である。

問題42 20℃から24℃で保存するのはどれか。
1.全血製剤
2.血漿製剤
3.赤血球液
4.血小板製剤
問題42  解答 4
問題42 解説 濃厚血小板製剤は20~24℃で保管し。採血後72時間以内に要振盪で用いる

問題43 穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。
1.胸腔穿刺 ――― 胸骨体第2肋間
2.腹腔穿刺 ――― 剣状突起と臍窩を結ぶ直線の中間点
3.腰椎穿刺 ――― 第1・2腰椎間
4.骨髄穿刺 ――― 後腸骨稜
問題43  解答 4
問題43 解説 通常、胸骨、腸骨、肋骨、脛骨から採取する。

問題44 作業と健康障害の組合せで正しいのはどれか。
1.VDT作業          ――― 栄養機能障害
2.有機溶剤を扱う作業      ――― 呼吸機能障害
3.電離放射線を扱う作業     ――― 造血機能障害
4.石綿〈アスベスト〉を扱う作業 ――― 排尿機能障害
問題44  解答 3
問題44  解説 被爆から半日から1日後に嘔吐、倦怠感、脱毛、火傷、造血細胞の減少などが現れる。また、電離放射線を長時間あびると、がんの発生率が上昇、不妊、妊娠異常が高まる。

問題45 救急外来を受診した成人患者で、治療の緊急度が最も高いのはどれか。
1.2時間ほど前から右上下肢に力が入らず、ろれつが回らない。
2.3日前にペットの葬儀が終わり、食欲がなく、夜眠れない。
3.プールでの日焼けによって背部全体が発赤している。
4.市販の風邪薬を通常の2倍量服用した。
問題45  解答 1
問題45 解説 脳血管疾患の可能性があり早期の医療処置が予後を左右する。
問題46 がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」の業務はどれか。
1.就労の斡旋
2.がん検診の実施
3.がんについての情報提供
4.セカンドオピニオン外来の開設
問題46  解答 3
問題46 解説 全国どこでも質の高いがんの医療が受けられるように、厚生労働大臣が指定した施設であり、治療の内容や設備、がんに関する情報提供などについて一定の基準を満たしている。

問題47 胸腔ドレーン挿入中の患者の看護で適切なのはどれか。
1.ミルキングは禁忌である。
2.持続的に陽圧となっているか観察する。
3.ドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行う。
4.ドレーンバッグは挿入部より高い位置に設置する。
問題47  解答 3
問題47 解説 すべて清潔さを保つ必要があるため、清潔操作で行う。

問題48 慢性心不全患者の生活指導で、心臓への負担を少なくするのはどれか。
1.肺炎球菌ワクチン接種の回避
2.蛋白質を制限した食事
3.食直後の散歩
4.排泄後の休息
問題48  解答 4
問題48 解説 心臓の負担を軽減するために心身を安静にし、心機能、症状の観察、全身管理を行う。

問題49 Crohn〈クローン〉病の患者の食事指導で適切なのはどれか。
1.「食物繊維を多く含む食事にしましょう」
2.「蛋白質の多い食事にしましょう」
3.「脂肪分の多い食事にしましょう」
4.「炭水化物を控えましょう」
問題49  解答 2
問題49 解説 食事だけで必要量を摂ろうとせず成分栄養剤(ED)で補う。

問題50 高カリウム血症の患者でみられるのはどれか。
1.Trousseau〈トルソー〉徴候
2.心電図でのT波の増高
3.腸蠕動音の低下
4.四肢の麻痺
問題50  解答 2
問題50 解説 心電図は①T波の尖鋭化とQT間隔の狭小化、②P波の消失、③QRS波の拡大と変形、④QRS波、ST波・T波の融合による2相性波形の出現がみられる。

問題51 開頭術を受けた患者の看護で適切なのはどれか。
1.頭部を水平に保つ。
2.緩下薬は禁忌である。
3.髄膜炎症状の観察を行う。
4.手術後1週間は絶飲食とする。
問題51  解答 3
問題51 解説 髄膜炎の症状には頭痛、項部硬直、発熱や錯乱、変性意識状態、嘔吐などがある。

問題52 Aさん(47歳、男性、会社員)は、痛風の既往があり、ほぼ毎日、飲酒を伴う外食をしている。1週前に尿管結石による疝痛発作があり、体外衝撃波結石破砕術〈ESWL〉を受けた。その結果、排出された結石は尿酸結石であることがわかった。
Aさんへの結石の再発予防に対する生活指導で適切なのはどれか。
1.「飲酒量に制限はありません」
2.「負荷の大きい運動をしましょう」
3.「1日2L程度の水分摂取をしましょう」
4.「動物性蛋白質を多く含む食品を摂取しましょう」
問題52  解答 3
問題52 解説 早期排石のため、水分摂取(1日1,500mℓ以上)を促す。

問題53 高齢者に対する生活史の聴き方で適切なのはどれか。
1.認知機能の評価尺度を用いる。
2.事実と異なる聴取内容を訂正する。
3.話を聴く前に文書による同意を得る。
4.高齢者が話しやすい時代の思い出から聴く。
問題53  解答 4
問題53 解説 高齢者は昔の記憶が残っていることが多く、人生にとって重要な思い出である場合が多いので、話しやすい事柄から聴取する。

問題54 平成28年(2016年)の国民生活基礎調査における高齢者世帯の所得構造を図に示す。

Aはどれか。
1.稼働所得
2.財産所得
3.公的年金・恩給
4.年金以外の社会保障給付金
問題54  解答 3
問題54 解説 公的年金・恩給による所得が最も多く、稼働所得、財産所得、年金以外の社会保障給付金の順である。

問題55 Aさん(80歳、男性)は、空腹時の胃の痛みが2週間続くため受診し、1週後に胃内視鏡検査を受けることになった。
検査を受けるAさんへの看護で適切なのはどれか。
1.検査前日の夜に下剤を服用することを伝える。
2.検査前に前立腺肥大症の既往の有無を確認する。
3.検査中は仰臥位の姿勢を保持する。
4.検査後はすぐに食事ができることを説明する。
問題55  解答 2
問題55 解説 緑内障、糖尿病によるインスリン使用、前立腺肥大の既往歴や、喘息やアレルギーの体質の有無を確認する。

問題56 軽度の老人性難聴の特徴はどれか。
1.ゆっくり話すと聞き取りにくい。
2.母音よりも子音が聞き分けにくい。
3.高音より低音が聞き取りにくい。
4.イントネーションが理解しにくい。
問題56  解答 2
問題56 解説 高音域の聴力低下により子音を含む言葉が聞き取りにくくなる。

問題57 Aさん(90歳、男性)は、脳梗塞による軽度の左半身麻痺がある。要介護2。最近、娘(65歳)とその家族と同居を始めた。Aさんの受診に付き添ってきた娘が看護師に「同居を始めてから疲れます」と話した。
この時の娘に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.心療内科の受診を勧める。
2.娘の幼少期の親子関係を聞く。
3.Aさんの介護老人保健施設への入所を勧める。
4.同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞く。
問題57  解答 4
問題57 解説 疲れる原因を見つけることから始め、具体的な解決策を見いだすことを優先する。

問題58 Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判断基準A—1である。
Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。
1.車椅子
2.歩行器
3.電動ベッド
4.入浴用椅子
問題58  解答 2
問題58 解説 要介護1で車椅子、歩行器の貸与は可能であるが、日常生活自立度判断基準A—1であり、歩行器が適切である。

問題59 乳幼児健康診査を規定しているのはどれか。
1.母子保健法
2.児童福祉法
3.次世代育成支援対策推進法
4.児童虐待の防止等に関する法律
問題59  解答 1
問題59 解説 乳幼児健康診査は、1歳6か月を超え満2際に達しない幼児、満3歳を超え満4歳に満たない幼児の検査を行う。

問題60 小児の呼吸法が、腹式呼吸から成人と同じ胸式呼吸に変化する時期はどれか。
1.生後6か月
2.3歳
3.7歳
4.12歳
問題60  解答 3
問題60 解説 肋骨は水平で、胸郭はそれ以上拡がらないため胸式呼吸ができにくい。1歳を過ぎると、成人の胸郭の形に近くなり胸腹式呼吸ができるようになる。

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