111回国家試験 AM31-60

午前問題31 社会福祉法に基づき社会福祉協議会が推進するのはどれか。
1.がん対策
2.男女共同参画
3.就労の支援活動
4.ボランティア活動
午前問題31 解答 4
午前問題31 解説 社会福祉協議会の取り組みには、ボランティア・市民活動の振興などがある。

午前問題32 日本の平成30年(2018年)の健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。
1.女性の死因の第3位は老衰である。
2.男性の死因の第3位は肺炎である。
3.女性の平均寿命は89年を超えている。
4.男性の平均寿命は83年を超えている。
午前問題32 解答 1
午前問題32 解説 女性の死因は悪性新生物、心疾患、老衰の順である。

午前問題33 労働衛生の「3管理」とは、作業環境管理と作業管理と( )である。
( )に入るのはどれか。
1.健康管理
2.総括管理
3.労務管理
4.出退勤管理
午前問題33 解答 1
午前問題33 解説 作業環境や作業との関連を検討することで、労働者の健康障害を未然に防止し健康の保持増進につなげる。

午前問題34 健康を人々の権利として明記したのはどれか。
1.世界保健機構〈WHO〉の健康に関する定義
2.ジュネーブ宣言
3.世界人権宣言
4.リスボン宣言
午前問題34 解答 1 または 3
午前問題34 解説 世界保健機関(WHO)憲章には、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう。

午前問題35 地域連携クリニカルパスの目的はどれか。
1.医療機関から在宅までの医療の継続的な提供
2.地域包括支援センターと地域住民との連携
3.地域医療を担う医療専門職の資質向上
4.患者が活用できる社会資源の紹介
午前問題35 解答 1
午前問題35 解説 地域連携クリニカルパスとは、疾患別の標準的な診療計画に従って、患者さんに切れ目のない最善の連携医療の提供をするシステムである。

午前問題36 集団指導が望ましいのはどれか。
1.胃全摘出術後の患者への退院指導
2.1型糖尿病の学童を対象とした療養指導
3.子宮頸癌の術後の神経因性膀胱の患者への間欠的自己導尿の指導
4.ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染者への生活指導
午前問題36 解答 2
午前問題36 解説 プライバシーを重要視する指導には集団指導は不向きである。

午前問題37 上肢のフィジカルアセスメントの立位での実施場面の写真を示す。

手のひらを上にして、肩の高さで水平に前方に両腕を伸ばしてもらった。その後、閉眼してもらうと、左腕が回内しながら下がっていった。
アセスメントの結果で正しいのはどれか。
1.位置覚の異常
2.錐体路の障害
3.小脳機能の異常
4.関節可動域の障害
午前問題37 解答 2
午前問題37 解説 立ち上がって、手のひらを上に向け、両腕をまっすぐ水平に前に出す。しばらくそのままの状態を保持し、上肢のバレー徴候では、どちらかの腕が次第に内側に回るように落ちてくる。

午前問題38 臥床患者の体位変換とボディメカニクスの原則との組合わせで正しいのはどれか。
1.仰臥位からの側臥位    ――― トルクの原理
2.仰臥位から長座位     ――― 摩擦力
3.ベッドの片側への水平移動 ――― 力のモーメント
4.ベッドの頭部への水平移動 ――― てこの第1種の原理
午前問題38 解答 1
午前問題38 解説 体位変換時には患者の両上肢を体の上にし、膝関節は屈曲させ患者を小さくまとめる。

午前問題39 Aさん(24歳、男性)は急性虫垂炎の術後1日で、ベッド上で仰臥位になり右前腕から点滴静脈内注射が行われている。Aさんは左利きである。
病室外のトイレまでAさんが移動するための適切な療養環境はどれか。
1.履物はAさんの左手側に置く。
2.ベッド柵はAさんの右手側に設置する。
3.輸液スタンドはAさんの左手側に置く。
4.ベッドは端座位時にAさんの足底が床につく高さにする。
午前問題39 解答 4
午前問題39 解説 術後1日であり、Aさんがトイレに行くときは、端座位時にAさんの足底が床につくベッドの高さが適切である。

午前問題40 全介助が必要な臥床患者の口腔ケアで適切なのはどれか。
1.スポンジブラシは水を含ませた後、絞って使用する。
2.頸部を後屈した体位で実施する。
3.終了後は口腔内を乾燥させる。
4.舌苔は強くこすって除去する。
午前問題40 解答 1
午前問題40 解説 口腔ケアには、スポンジ歯ブラシを用いる。

午前問題41 術後1日の手術創の正常な治癒過程として正しいのはどれか。
1.創部の浮腫が起こる。
2.肉芽組織が形成される。
3.コラーゲンが成熟し瘢痕組織となる。
4.血管内皮細胞が新しい血管を形成する。
午前問題41 解答 1
午前問題41 解説 炎症期(術直後~3日目ころ)、上皮化が起こる。

午前問題42 平成29年(2017年)の患者調査において医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。
1.喘 息
2.糖尿病
3.脳血管疾患
4.高血圧性疾患
午前問題42 解答 4
午前問題42 解説 高血圧疾患が最も多く、次いで、歯肉炎および歯周疾患、糖尿病の順に患者数が多い。

午前問題43 解離性大動脈瘤の破裂直後に出血性ショックとなった患者の症状として正しいのはどれか。
1.黄 疸
2.浮 腫
3.顔面紅潮
4.呼吸不全
午前問題43 解答 4
午前問題43 解説 大動脈瘤は、大動脈の動脈硬化が進み血管壁の弱い部分が血流の圧迫を受け、膨らんでこぶのようになった状態。

午前問題44 Aさん(60歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった。
Aさんが摂取を避けるべき食品はどれか。
1.海 藻
2.牛 乳
3.納 豆
4.グレープフルーツ
午前問題44 解答 3
午前問題44 解説 クロレラや青汁なども納豆と同様にビタミンKを多く含むため、摂取を控える。

午前問題45 慢性膵炎患者の食事療法で制限が必要なのはどれか。
1.蛋白質
2.カリウム
3.食物繊維
4.アルコール
午前問題45 解答 4
午前問題45 解説 薬物療法とともに、安静を保ち、禁酒、低脂肪食の摂取とする。

午前問題46 血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。
1.グルカゴン
2.メラトニン
3.コルチゾール
4.バゾプレシン
午前問題46 解答 1
午前問題46 解説 グルカゴンは低血糖時に肝臓のグリコゲンの分解を促進し血糖を上昇させる。

午前問題47 脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。
1.前日に頭部の剃毛を行う。
2.検査中は患者に話しかけない。
3.穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認する。
4.検査30分前まで食事摂取が可能である。
午前問題47 解答 3
午前問題47 解説 手首・肘または鼠径部の動脈からカテーテルを血管の中に入れて、脳の血管に造影剤を注入し、エックス線撮影する。

午前問題48 Aさん(32歳、男性)は慢性副鼻腔炎と診断され経過観察をしていたが、症状が改善されず手術を受けることになった。
Aさんへの術後の生活についての説明で適切なのはどれか。
1.咽頭にたまった分泌物は飲み込んでも良い。
2.物が二重に見えるときは看護師に伝える。
3.手術当日から入浴が可能である。
4.臥床時は頭部を低く保つ。
午前問題48 解答 2
午前問題48 解説 物が二重に見えるのは眼球運動の障害が考えられる。

午前問題49 幻肢痛について正しいのはどれか。
1.術前から発症する。
2.抗うつ薬は禁忌である。
3.細菌感染が原因である。
4.切断し喪失した部位に生じる。
午前問題49 解答 4
午前問題49 解説 幻肢痛は術後に失った四肢が存在するような錯覚や失った四肢が存在していた空間に痛みを感じる。

午前問題50 乳房超音波検査を受ける女性患者への説明で正しいのはどれか。
1.「検査当日は起床時から飲食をしないでください」
2.「乳房を器具に挟んで検査します」
3.「月経中は検査ができません」
4.「仰向けで検査を行います」
午前問題50 解答 4
午前問題50 解説 乳腺内の腫瘤や乳管拡張などの変化がわかる。

午前問題51 Aさん(54歳、女性)は甲状腺機能亢進症と診断され、放射性ヨウ素内用療法を受けることとなった。
看護師の説明で正しいのはどれか。
1.「治療前1週間は海藻類を摂取しないでください」
2.「治療中は体を固定します」
3.「治療後の副作用に脱毛があります」
4.「治療後1週間は生野菜を摂取しないでください」
午前問題51 解答 1
午前問題51 解説 治療前はヨード制限、抗甲状腺薬の中止、甲状腺摂取率の測定、甲状腺眼症の評価などを行う。

午前問題52 老年期の発達課題を引退の危機、身体的健康の危機および死の危機の3つの段階で示したのはどれか。
1.エリクソン
2.レビンソン
3.ペック
4.ユング
午前問題52 解答 3
午前問題52 解説 エリクソンの理論をもとにしたさまざまな調査に基づき人生後半期を7段階に区分した。

午前問題53 介護保険制度における施設サービスはどれか。
1.介護医療院サービス
2.小規模機能型居宅介護
3.サービス付き高齢者向け住宅
4.認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉
午前問題53 解答 1
午前問題53 解説 介護医療院とは介護保険法第8条第29項により設置された。長期に渡り療養が必要な人々に対し、必要な医療や日常生活の支援を行うことを目的とした施設。

午前問題54 30歳を100%とした生理機能と比較して、老年期において機能の残存率の平均値が最も低下するのは次のうちどれか。
1.基礎代謝率
2.最大換気量
3.細胞内水分量
4.神経伝導速度
午前問題54 解答 2
午前問題54 解説 肺活量は、30歳と比べて80歳代では半分程度に低下する。1秒量、最大換気量、最大呼気中間流量も低下し、残気率は増加する。

午前問題55 高齢者の健康障害の特徴で正しいのはどれか。
1.症状の出現は定型である。
2.治療の効果が現れやすい。
3.疾患の発生に心理的要因の影響は少ない。
4.薬物の副作用〈有害事象〉が発生しやすい。
午前問題55 解答 4
午前問題55 解説 腎臓の萎縮により薬物が蓄積されやすくなる。

午前問題56 Aさん(83歳)は寝たきり状態で、便意を訴えるが3日間排便がみられない。認知機能に問題はない。昨晩下剤を内服したところ、今朝、紙オムツに水様便が少量付着しており、残便感を訴えている。
このときのAさんの状態で考えられるのはどれか。
1.嵌入便
2.器質性便秘
3.切迫性便失禁
4.非急性感染性下痢
午前問題56 解答 1
午前問題56 解説 肛門の手前で固い便がたまって自力で出すことができなくなった状態。寝たきりの高齢者にみられる。

午前問題57 発育と発達に遅れのない生後6か月の男児。BCG接種の翌日に接種部位が赤く腫れ次第に増悪して膿がみられたため、母親は接種後4日目に医療機関に電話で相談し、看護師が対応した。児に発熱はなく、哺乳や機嫌は良好である。
このときの看護師の説明で適切なのはどれか。
1.「通常の反応です」
2.「速やかに来院してください」
3.「1週間後にまた電話をください」
4.「患部をアルコール消毒してください」
午前問題57 解答 2
午前問題57 解説 コッホ現象は、BCGワクチンを接種した1、2日後(遅くても7日以内)に、接種したところに強い反応が出る。

午前問題58 新生児の出血性疾患で正しいのはどれか。
1.生後48時間以内には発症しない。
2.母乳栄養児は発症のリスクが高い。
3.予防としてカルシウムを内服する。
4.早期に現れる所見に蕁麻疹がある。
午前問題58 解答 2
午前問題58 解説 主な原因はビタミンK欠乏症によって引き起こされる。

午前問題59 入院中の小児のストレス因子と発達段階の組合わせで正しいのはどれか。
1.見慣れない環境   ――― 新生児期
2.プライバシーの侵害 ――― 幼児期
3.病気の予後への不安 ――― 学童期
4.母子分離      ――― 思春期
午前問題59 解答 3
午前問題59 解説 学童期は現実の事物や事象に対して具体的に理解し確かめられる範囲で、論理的・因果的に思考できるよう支援する。

午後問題60 A君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫の治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L / 分)を吸入中である。A君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。
看護師のA君への対応で適切なのはどれか。
1.両親に判断してもらおうと話す。
2.今の状態では出席は難しいと話す。
3.出席できるように準備しようと話す。
4.出席を決める前に体力をつけようと話す。
午後問題60 解答 3
午後問題60 解説 終末期でもあり、食事の摂取量が減っていることから、体力をつけることは難しい。

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