93回国家試験 AM91-120

午前問題91 59歳の男性。前かがみの姿勢をとる程の強い腰痛、嘔吐、発熱で救急外来を受診したところ、血清アミラーゼ値の上昇がみられた。
確認する項目で優先度の高いのはどれか。
1.飲酒歴
2.渡航歴
3.輸血歴
4.喫煙歴
午前問題91  解答  1
午前問題91  解説  血清アミラーゼ値の上昇、腰痛などから急性膵炎が疑われる。

午前問題92 身長160cm、体重85kgの人のBMI(体格指数)を算出した。
正しいのはどれか。
1.85÷(1.6×1.6)
2.(85×0.9)÷(1.6×1.6)
3.(85×85)÷160
4.(85×22)÷(160-110)
午前問題92  解答  1
午前問題92  解説  BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)2

午前問題93 血中ホルモン測定のための採血で誤っているのはどれか。
1.採血前30分は安静とする。
2.服用薬を事前に確認する。
3.採血時刻を守る。
4.検体は37℃で保管する。
午前問題93  解答  4
午前問題93  解説  凍結保存する。

午前問題94 褐色細胞腫が疑われる患者への質問項目で優先度の低いのはどれか。
1.体重増加
2.頭 痛
3.立ちくらみ
4.イライラ感
午前問題94  解答  1
午前問題94  解説  褐色細胞種は血管が収縮し、高血圧・頭痛を始め種々の臨床症状を示す。

午前問題95 維持期の持続的携帯型腹膜透析(CAPD)で正しいのはどれか。
1.透析回数は週に2、3回である。
2.血液透析よりも食事制限は少ない。
3.心血管系への負担が血液透析より大きい。
4.終了後はカテーテルを抜去する。
午前問題95  解答  2
午前問題95  解説  血液透析に比べ、制限がゆるやかである。

午前問題96 意識が清明な熱中症患者に必要なのはどれか。
1.気道確保
2.氷による全身冷却
3.水分摂取
4.骨盤高位
午前問題96  解答  3
午前問題96  解説  熱中症の応急措置は、冷却と経口摂取による水分補給が基本である。

午前問題97 着衣失行のある患者に当てはまるのはどれか。
1.服が認識できない。
2.手本があれば模倣できる。
3.服を後ろ前に着る。
4.動作は順序良くできる。
午前問題97  解答  3
午前問題97  解説  着衣失行とは、衣服をうまく使いこなせないこと。

午前問題98 前傾姿勢をとったとき図の症状を示すのはどれか。
前傾姿勢

1.脊椎腫瘍
2.側弯症
3.脊柱管狭窄
4.椎間板ヘルニア
午前問題98  解答  2
午前問題98  解説  側弯症では、前屈時に肋骨隆起を認める。

午前問題99 膀胱鏡検査で適切なのはどれか。
1.検査時の体位は骨盤高位である。
2.検査時は腹筋を緊張させるように説明する。
3.検査後は膀胱内留置カテーテルを挿入する。
4.検査後は十分な水分摂取を促す。
午前問題99  解答  4
午前問題99  解説  感染予防のため、排尿で尿路を洗浄する。

午前問題100 右卵巣嚢腫で内視鏡的手術を受ける26歳の患者への説明内容で正しいのはどれか。
1.手術創は1か所である。
2.手術は左側臥位で行われる。
3.順調なら翌日には歩行できる。
4.術後に卵巣欠落症状が起きる。
午前問題100  解答  3
午前問題100  解説  手術による影響が少なく、回復が早いのが特徴である。

午前問題101 乳がん術後の患側上肢の浮腫軽減で正しいのはどれか。
1.就寝時には患側上肢を体幹より高くする。
2.肩から指先に向かってマッサージする。
3.患側上肢に冷湿布をする。
4.患側上肢をよく振って歩く。
午前問題101  解答  1
午前問題101  解説  リンパ液の還流を促し、浮腫軽減に効果的である。

午前問題102 この30年間の我が国における老年人口の変化で正しいのはどれか。
1.老年人口が25%増加した。
2.後期に比べ前期老年人口の増加が著しい。
3.一人暮らしの高齢者が増加した。
4.女性に比べ男性の高齢化が著しい。
午前問題102  解答  3
午前問題102  解説  高齢者の「単独世帯」は増加した。

午前問題103 図は平成12年の高齢者死因別割合を表したものである。

Aはどれか。
1.悪性新生物
2.脳血管疾患
3.肺 炎
4.心疾患
午前問題103  解答  1
午前問題103  解説  90歳未満の高齢者の死因第一位は、悪性新生物である。

午前問題104 加齢により衰えやすい機能はどれか。
1.言葉の理解
2.短期記憶
3.判断力
4.洞察力
午前問題104  解答  2
午前問題104  解説  加齢により、記憶は衰えやすい。

午前問題105 疾患をもつ高齢者の特徴で正しいのはどれか。
1.入院で混乱をきたしやすい。
2.典型的な症状を示しやすい。
3.合併症の出現は少ない。
4.状態の急激な悪化は少ない。
午前問題105  解答  1
午前問題105  解説  環境の急激な変化に対応できない。

午前問題106 腰部打撲で入院した高齢者。体動時に軽度の痛みがあるが、安静時には消失する。コルセットを装着して退院した。
腰痛増悪を予防するための生活指導で適切なのはどれか。
1.物を拾うときには膝を曲げる。
2.腰痛体操はコルセットがとれてから始める。
3.やわらかい布団に寝る。
4.低い椅子に座るようにする。
午前問題106  解答  1
午前問題106  解説  物を拾う際には膝を屈曲し、前屈を避ける。

午前問題107 高齢者の視覚変化の特徴と対処方法との組合せで適切なのはどれか。
1.暗順応の低下   ――― 夜間は廊下の足元を明るくする。
2.色覚の低下    ――― 表示は青や緑色にする。
3.視野の狭窄    ――― 眼球運動訓練を勧める。
4.近くの物が不鮮明 ――― 凹レンズで調節する。
午前問題107  解答  1
午前問題107  解説  安全のために、暗い場所には常夜灯をつけておく。

午前問題108 寝たきりの高齢者。常に少量の水様便に硬便が混じっているため、おむつを使用している。発熱や嘔吐、皮膚の乾燥はない。
適切なのはどれか。
1.繊維質の少ない食事にする。
2.水分を控える。
3.宿便の有無を確認する。
4.安静にする。
午前問題108  解答  3
午前問題108  解説  硬便が混じっているので宿便の有無を確認する。

午前問題109 高齢者が転倒し、しりもちをついた。腰痛や下肢のしびれはないため経過観察となった。
観察で重要なのはどれか。
1.血圧の上昇
2.足背動脈の触知
3.失禁の有無
4.下肢の肢位
午前問題109  解答  4
午前問題109  解説  高齢者の転倒は、大腿骨頚部骨折を生じることがあるため下肢の肢位を観察する。

午前問題110 脳梗塞で片麻痺となった高齢者の端座位訓練時の援助で適切なのはどれか。
1.顎を上げるように声をかける。
2.足底を床につける。
3.本人の意欲がある限り続ける。
4.健側にオーバーテーブルを置く。
午前問題110  解答  2
午前問題110  解説  両足底をつけることで支持基底面の中に重心が入るので安定する。

午前問題111 加齢による変化と薬物動態との組合せで誤っているのはどれか。
1.体内総水分量の減少 ――― 水溶性薬物の血中濃度が緩やかに上昇する。
2.腎血流量の減少   ――― 薬物排泄が遅延する。
3.肝血流量の減少   ――― 薬物代謝が遅延する。
4.体内脂肪の増加   ――― 脂溶性薬物が蓄積しやすい。
午前問題111  解答  1
午前問題111  解説  体内の水分量の低下により水様性薬物の血中濃度が高くなりやすい。

午前問題112 高齢者に上部消化管造影検査で抗コリン薬が用いられた。
観察で優先度の低いのはどれか。
1.頭痛・眼痛
2.排尿障害
3.低血糖
4.便 秘
午前問題112  解答  3
午前問題112  解説  抗コリン薬の副作用として眼圧上昇、排尿障害、消化管麻痺などがある。

午前問題113 高齢者の術後肺合併症の誘因で誤っているのはどれか。
1.麻酔からの覚醒不良
2.痰喀出力の低下
3.換気量の減少
4.咽頭反射の亢進
午前問題113  解答  4
午前問題113  解説  咽頭反射は低下している。

午前問題114 介護保険で正しいのはどれか。
1.介護支援専門員は看護職か福祉職のいずれかである。
2.要介護認定は市町村が行う。
3.費用は2割が利用者負担である。
4.要介護状態区分は3か月に1回見直される。
午前問題114  解答  2
午前問題114  解説  市町村の介護認定審査会で行われる。

午前問題115 施設と対象者の組合せで正しいのはどれか。
1.ケアハウス       ――― 医学的管理が常時必要な者
2.介護老人保健施設    ――― 機能訓練が必要な者
3.介護特別養護老人ホーム ――― 一人暮らしから困難な者
4.長期療養型医療施設   ――― 介護が常時必要な者
午前問題115  解答  2
午前問題115  解説  介護老人保健施設は、要介護者に対し、介護、機能訓練、医療、日常生活の世話を行う。

午前問題116 平成10年の国民生活基礎調査における寝たきり老人の在宅介護で正しいのはどれか。
1.介護者の52%は60歳以上である。
2.在宅介護の担い手の29%は夫か息子である。
3.寝たきりになる原因の第1位は骨折である。
4.介護者が負担に思う介護の第1位は食事である。
午前問題116  解答  1
午前問題116  解説  高齢者による介護の割合が高い。

午前問題117 在宅の高齢者を対象とするボランティア活動の内容で最も多いのはどれか。
1.外出介助
2.入浴介助
3.食事サービス
4.家事援助
午前問題117  解答  3
午前問題117  解説  NPO法人などのボランティアサービスが主流である。

午前問題118 6歳の女児。身長108cm、体重20kg。就学時健康診断で身長が10パーセンタイル値と評価された。
正しいのはどれか。
1.同年齢女児の10%相当数がこの女児と同じ身長である。
2.同年齢女児の100人中10番目に低い身長である。
3.女児の身長は体重相応の身長より10%低い。
4.同年齢女児の平均身長より10%低い。
午前問題118  解答  2
午前問題118  解説  パーセンタイル値は、小さいほうから順番に並べ、全体を100として何番目になるかを表わしたものである。

午前問題119 子どもの運動機能の発達で正しいのはどれか。
1.基本的な運動発達は頭部から下方へ向かう。
2.局所的な動きから全身的な運動発達へ進む。
3.新生児期には遺伝より環境の影響が大きい。
4.乳児期後期から幼児期に反射運動が増える。
午前問題119  解答  1
午前問題119  解説  発達は「頭尾方向」「近遠方向」の原則に従う。

午前問題120 母乳栄養児の便の特徴で正しいのはどれか。
1.細菌叢は腸球菌が多い。
2.芳香性酸臭がある。
3.淡黄色である。
4.硬めである。
午前問題120  解答  2
午前問題120  解説  母乳栄養児の便は酸性である。

カテゴリー
最近の記事 おすすめ記事

記事一覧を表示するには、カスタム投稿「ブログ」にて、4つ以上記事を作成してください。

記事一覧を表示するには、カスタム投稿「ブログ」にて、4つ以上記事を作成してください。

TOP