102回国家試験 PM31-60

午後問題31 ノーマライゼーションに基づくのはどれか。
1.救急搬送体制を整備すること
2.医療機関にいつでも受診ができること
3.公共交通機関をバリアフリー化すること
4.障害者に介護施設への入所を勧めること
午後問題31 解答 3
午後問題31 解説 公共交通機関のバリアフリー化はノーマライゼーションに基づく。

午後問題32 日本の平成21年(2009年)の人口動態統計における悪性新生物に関する記述で正しいのはどれか。
1.死因別順位は第2位である。
2.年間死亡者数は約80万人である。
3.部位別にみた年齢調整死亡率は、男性では胃が最も高い。
4.部位別にみた死亡者数は、気管、気管支及び肺が最も多い。
午後問題32 解答 4
午後問題32 解説 部位別にみた死亡者数は、67,583人で最も多い。

午後問題33 聴覚障害のある患者とのコミュニケーションで正しいのはどれか。
1.補聴器の使用中は低音で話す。
2.手話のときは口元を動かさない。
3.音の反響が強い場所を選択する。
4.感音性難聴の場合は大きな声で話す。
午後問題33 解答 1
午後問題33 解説 通常と同じ声の高さで話す。

午後問題34 結核菌の消毒に効果があるのはどれか。
1.エタノール
2.アクリノール
3.ベンザルコニウム
4.クロルヘキシジン
午後問題34 解答 1
午後問題34 解説 エタノールは細菌・結核菌・ウイルス・スピロヘータに有効。

午後問題35 四肢に障害がない患者を仰臥位から側臥位に体位変換するときの姿勢を図に示す。

仰臥位から側臥位に体位変換

適切なのはどれか。
午後問題35 解答 1
午後問題35 解説 腕を組み、足を曲げてもらうと全体が小さくまとまり体位変換がしやすくなる。

午後問題36 インシデントレポートについて正しいのはどれか。
1.警察への届出義務がある。
2.法令で書式が統一されている。
3.事故が発生するまで報告しない。
4.異なる職種間で内容を共有する。
午後問題36 解答 4
午後問題36 解説 インシデントレポートは看護師以外の他職種の人も記入する。

午後問題37 口腔ケアの効果として正しいのはどれか。
1.プラークの形成
2.唾液分泌の促進
3.口腔内のpHの酸性化
4.バイオフィルムの形成
午後問題37 解答 2
午後問題37 解説 口腔ケアは咳嗽反射を刺激するため、唾液の分泌を促進する。

午後問題38 薬とその副作用の組合せで正しいのはどれか。
1.抗ヒスタミン薬 ――― 難 聴
2.スルホニル尿素薬 ――― 咳 嗽
3.中枢性麻痺性鎮咳薬 ――― 便 秘
4.アミノグリコシド系薬 ――― 骨粗鬆症
午後問題38 解答 3
午後問題38 解説 中枢性麻痺性鎮咳薬の副作用には、呼吸抑制、悪心、嘔吐、便秘、排尿障害などがある。

午後問題39 成人の腸骨の骨髄穿刺で適切なのはどれか。
1.穿刺前6時間は絶食とする。
2.穿刺は仰臥位で行う。
3.穿刺時は深呼吸を促す。
4.穿刺後、穿刺部位は圧迫止血する。
午後問題39 解答 4
午後問題39 解説 穿刺後は、穿刺部位からの出血に注意する。

午後問題40 食の支援に関わる職種とその役割の組合せで適切なのはどれか。
1.歯科衛生士 ――― 義歯の作成
2.管理栄養士 ――― 経腸栄養の処方
3.言語聴覚士 ――― 嚥下機能の評価
4.薬剤師 ――― 摂食行動の評価
午後問題40 解答 3
午後問題40 解説 言語聴覚士は、言語訓練、必要な検査や助言、指導・援助を行う。

午後問題41 人工呼吸器による陽圧換気によって生じるのはどれか。
1.肺水腫
2.脳内出血
3.胃液分泌の低下
4.心拍出量の低下
午後問題41 解答 4
午後問題41 解説 陽圧になった胸腔内の血管は圧迫されるため心拍出量は低下する。

午後問題42 手術中に下肢に弾性ストッキングを着用する主な目的はどれか。
1.浮腫の軽減
2.筋力の維持
3.体温低下の予防
4.深部静脈血栓形成の予防
午後問題42 解答 4
午後問題42 解説 弾性ストッキングは下肢を圧迫するため静脈の血流速度を増加させる。

午後問題43 外傷性脳損傷によって軽度記憶障害のある患者への認知リハビリテーションで適切なのはどれか。
1.簡単な計算を取り入れる。
2.毎日新しい行動を試みる。
3.暗記の練習のときはメモを取る。
4.視覚的なイメージより言葉のほうが記憶しやすい。
午後問題43 解答 3
午後問題43 解説 認知リハビリテーションは高次脳機能障害を対象としたリハビリテーションである。

午後問題44 腰椎転移のある食道癌の患者。癌性疼痛にフェンタニル貼付剤を使用しているが、右下肢に神経因性疼痛が頻発している。1日に4~6回のレスキューとしてのモルヒネ注射薬を使用しており、入眠すると15秒程度の無呼吸がみられる。
緩和ケアチームで検討すべき対応はどれか。
1.酸素吸入
2.鎮痛補助薬の使用
3.モルヒネ注射薬の増量
4.フェンタニル貼付剤の増量
午後問題44 解答 2
午後問題44 解説 鎮痛補助薬の使用を検討する。

午後問題45 慢性腎不全で透析導入を判断するときの指標となる検査はどれか。
1.尿酸〈UA〉値
2.糸球体濾過値〈GFR〉
3.点滴静注腎盂造影〈DIP〉
4.PSP〈フェノールスルホンフタレイン〉15分値
午後問題45 解答 2
午後問題45 解説 腎不全が進行すると糸球体濾過量が低下するため体液量依存性の高血圧が生じる。

午後問題46 1年前にハチに刺された人が再びハチに刺された。
起こる可能性のあるアレルギー反応はどれか。
1.Ⅰ型アレルギー
2.Ⅱ型アレルギー
3.Ⅲ型アレルギー
4.Ⅳ型アレルギー
午後問題46 解答 1
午後問題46 解説 Ⅰ型アレルギーは、血管透過性の亢進や平滑筋収縮を生じる。

午後問題47 電動のこぎりの操作ミスで、左第2指と3指とも近位指節間〈PIP〉関節と遠位指節間〈DIP〉関節の間で切断した患者が手指の再接着術を受けた。他に外傷はない。
術後1日の観察で適切なのはどれか。
1.フォルクマン拘縮の有無
2.中手指節〈MP〉関節の関節可動域
3.遠位部の血液循環の状態
4.接着部の瘢痕化
午後問題47 解答 3
午後問題47 解説 血管を再接合しているので循環不全が起こりやすい。

午後問題48 スパイロメトリーの結果による換気機能診断図を示す。

閉塞性換気障害と診断される分類はどれか。
1.A
2.B
3.C
4.D
午後問題48 解答 4
午後問題48 解説 閉塞性換気障害は%肺活量80%以上(正常範囲内)、1秒率70%以下

午後問題49 精神患者に関連する理論と理論家の組合せで正しいのはどれか。
1.現存在分析   ――― フロイト.S.
2.ストレス理論  ――― シュナイダー.K.
3.精神発達理論  ――― オレム.D.
4.患者-看護師関係 ――― ぺプロウ.E.
午後問題49 解答 4
午後問題49 解説 ぺプロウ.E.は、看護は患者-看護師の信頼関係の成立を基盤として行われるケアであることを唱えた。

午後問題50 選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉について正しいのはどれか。
1.パニック障害に対する効果はない。
2.抗コリン作用は三環系うつ薬よりも弱い。
3.うつ状態が改善したら直ちに使用を中止する。
4.抗うつ効果の評価は投与開始後3日以内に行う。
午後問題50 解答 2
午後問題50 解説 SSRIは三環系うつ薬よりアセチルコリンの働きを抑制する抗コリン作用が少ない。

午後問題51 リエゾン精神看護に関する説明で正しいのはどれか。
1.直接ケアは含まれない。
2.精神疾患の既往のある患者は対象とならない。
3.看護師は必要に応じて精神病床への移動を指示できる。
4.身体疾患と精神的問題とを併せ持つ患者を対象とする。
午後問題51 解答 4
午後問題51 解説 心身両面の看護支援を行う。

午後問題52 精神科病院に入院中の患者の法的処遇について正しいのはどれか。
1.患者は退院を請求できる。
2.看護師は面会を制限できる。
3.保護者は外出の可否を判断できる。
4.精神保健指定医は手紙の発信を制限できる。
午後問題52 解答 1
午後問題52 解説 任意入院の場合は、患者の意思で退院を請求できる。

午後問題53 Aさん(19歳、女性)は、境界性人格〈パーソナリティ〉障害で入院している。病棟では、安全管理のため、個人用の爪切りをナースステーションで管理している。
Aさんが自分の爪切りを使用した後、看護師が返却を求めると「主治医の先生は自分で持っていてもいいって言ったのよ」と攻撃的な口論で抵抗した。この日、主治医は不在であった。
Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
1.「先生はそのようなことは言わないと思います」
2.「先生は不在なので、私の指示に従ってください」
3.「病棟の安全が守れないので退院していただきます」
4.「先生に確認がとれるまで、こちらでお預かりします」
午後問題53 解答 4
午後問題53 解説 安全管理の目的から、確認が取れるまで預かるのは適切な行為である。

午後問題54 Aさん(78歳)は、妻(76歳)と2人で暮らしている。糖尿病と診断されている。認知症ではない。主治医の指示で、インスリン自己注射を指導するために訪問看護が導入された。Aさんは「針が怖いから、看護師さんが注射をしてください」と言う。
Aさんへの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
1.「針は細いので怖くないです」
2.「一緒に少しずつやっていきましょう」
3.「注射ができないと家での療養は難しくなります」
4.「そうですね。Aさんも奥さんもしなくていいです」
午後問題54 解答 2
午後問題54 解説 焦らず、恐怖心をゆっくりなくすように支援する。

午後問題55 介護保険法施行令において特定疾病に指定されているのはどれか。
1.脊髄損傷
2.Crohn〈クローン〉病
3.脳血管疾患
4.大腿骨頸部骨折
午後問題55 解答 3
午後問題55 解説 介護保険法では個別疾病名が列記されている。

午後問題56 Aさん(68歳)は要介護1で、1人で暮らしている。間質性肺炎のために在宅酸素療法が開始された。
Aさんのサービス担当者会議で訪問看護師が行う提案で適切なのはどれか。
1.炊事の禁止
2.毎日の体温測定
3.1人での外出禁止
4.訪問入浴サービスの導入
午後問題56 解答 2
午後問題56 解説 肺炎の早期発見のために、感染徴候の一つである体温の変化を測定する。

午後問題57 Aさんは、要介護2で在宅療養をしている。仙骨部に2cm×3cmの水疱を形成した。この1週間、臥床していることが多くなり、食事摂取量も減ってきている。
訪問看護師がAさんの家族に行う提案として適切なのはどれか。
1.体圧分散マットの使用
2.膀胱留置カテーテルの留置
3.夜間の2時間ごとの体位変換
4.訪問看護への褥瘡処置の依頼
午後問題57 解答 1
午後問題57 解説 要介護2から、体位変換や排泄は自力で可能と考えられる。

午後問題58 高齢者から生活史を聴取する方法として適切なのはどれか。
1.家族の承諾を必須とする。
2.認知機能の評価尺度を用いる。
3.事実とは異なる部分を修正する。
4.高齢者自身の生きてきた時代背景を聴く。
午後問題58 解答 4
午後問題58 解説 生活史なので、個人に焦点をあてた聴取がふさわしい。

午後問題59 平成3年(1991年)に国際連合総会〈国連総会〉で決議された「高齢者のための国連原則」でないのはどれか。
1.公平の原則
2.参加の原則
3.尊厳の原則
4.自己実現の原則
午後問題59 解答 1
午後問題59 解説 「自立」「参加」「ケア」「自己実現」「尊厳」が5つ基本原理である。

午後問題60 介護老人福祉施設に入居中の高齢者。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅳ、四肢の麻痺はない。
衣類の選択について最も適切なのはどれか。
1.材質選びは本人に任せる。
2.ボタンでとめる上着を選ぶ。
3.夜間就寝時には寝衣に着替える。
4.皮膚の瘙痒感があれば、つなぎ服を着用させる。
午後問題60 解答 3
午後問題60 解説 夜間就寝時は、着脱のしやすい寝衣に着替える。

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