午後問題61 Aちゃん(3歳0か月)は、午後から38.0℃の発熱があったが、食事は摂取でき活気があった。夜間になり、3回嘔吐したため救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは傾眠傾向にあった。診察の結果、髄膜炎が疑われ、点滴静脈内注射を開始し入院した。入院時、Aちゃんは、体温38.5℃、呼吸数30/分、心拍数120/分、血圧102/60mmHgであった。
入院時のAちゃんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。
1.冷罨法を行う。
2.水平仰臥位を保つ。
3.意識レベルを観察する。
4.大泉門の状態を観察する。
午後問題61 解答 3
午後問題61 解説 小児の救急外来では、意識レベルの確認と感染症拡大の予防に努める。
午後問題62 食物アレルギーのある8歳の児童がアナフィラキシーショックを発症した場合の対応として適切なのはどれか。
1.水分の補給
2.抗ヒスタミン薬の内服
3.副腎皮質ステロイドの吸入
4.アドレナリンの筋肉内注射
午後問題62 解答 4
午後問題62 解説 速効性があり効果も高いアドレナリンの筋肉注射が第一に選択される。
午後問題63 A君(15歳、男子)は、病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫に対する治療を続けていた。現在、肺に転移しており終末期にある。呼吸困難があり、鼻腔カニューラで酸素(2L/分)を投与中である。A君の食事の摂取量は徐々に減っているが、意識は清明である。1週間後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式は出席したい」と話している。
看護師のA君への対応として最も適切なのはどれか。
1.今の状態では出席は難しいと話す。
2.出席できるように準備しようと話す。
3.出席を決める前に体力をつけようと話す。
4.卒業式の前日に出席するかどうか決めようと話す。
午後問題63 解答 2
午後問題63 解説 可能な限り個人の意思を尊重することが大切である。
午後問題64 妊娠中期から末期の便秘について適切なのはどれか。
1.妊娠中期は妊娠末期と比較して生じやすい。
2.エストロゲンの作用が影響している。
3.子宮による腸の圧迫が影響している。
4.けいれん性の便秘を生じやすい。
午後問題64 解答 3
午後問題64 解説 プロゲステロンは消化管の平滑筋を弛緩させる作用があり、蠕動運動が低下しやすくなる。
午後問題65 正常な胎児の分娩機転について正しいのはどれか。
1.分娩開始時、胎児の背中は母体の背側にある。
2.後頭部が先進する。
3.胎児の顔は母体の腹側を向いて娩出される。
4.肩甲横径が骨盤の横径に一致する方向で娩出される。
午後問題65 解答 2
午後問題65 解説 正常な胎児の第一回旋時は、母体の右または左に背中が位置する。
午後問題66 新生児室の環境で適切なのはどれか。
1.無菌室
2.湿度は50~60%
3.温度は27~28℃
4.コット間の距離は60cm
午後問題66 解答 2
午後問題66 解説 新生児室の至適温度は24~26℃、至適湿度は湿度50~60%。
午後問題67 Aさん(50歳、男性)は、アルコール依存症のために断酒目的で入院した。入院前日の夜まで毎日飲酒をしていたと話している。
入院当日に優先的に行うのはどれか。
1.抗酒薬の説明を行う。
2.断酒会への参加を促す。
3.振戦の有無を確認する。
4.ストレス対処行動を分析する。
午後問題67 解答 3
午後問題67 解説 入院当日はアルコールの離脱症状の時期である。
午後問題68 Aさん(23歳、女性)は、トラックの横転事故に巻き込まれて一緒に歩いていた友人が死亡し、自分も軽度の外傷で入院している。看護師がAさんに「大変でしたね」と声をかけると、笑顔で「大丈夫ですよ。何のことですか」と言うだけで、事故のことは話さない。Aさんは検査の結果、軽度の外傷以外に身体的な異常や記憶の障害はない。
この現象はどれか。
1.解 離
2.昇 華
3.合理化
4.反動形成
午後問題68 解答 1
午後問題68 解説 解離は自らの認知の枠組みの囚われに合致しない出来事が起きた時に、それにまつわる観念や感情を無意識的に切り離す。
午後問題69 精神疾患患者の家族の感情表出〈expressed emotion:EE〉について正しいのはどれか。
1.家族の訴えが明確になる。
2.認知行動療法の技法である。
3.統合失調症の再発に関連がある。
4.家族のストレス対処として効果的である。
午後問題69 解答 3
午後問題69 解説 統合失調症の患者は、身近な人たちの感情の表し方が病気の再発に関係するといわれている。
午後問題70 Aさん(21歳、男性)は、統合失調症と診断され、入院してハロペリドールの投与が開始された。入院後3日、39.5℃の急激な発熱、発汗、筋固縮および意識障害を認めた。
Aさんの状態で考えられるのはどれか。
1.昏 迷
2.悪性症候群
3.てんかん発作
4.静座不能〈アカシジア〉
午後問題70 解答 2
午後問題70 解説 悪性症候群は向精神薬治療中の重篤な副作用。
午後問題71 訪問看護師が、在宅医療に移行する患者の退院調整のために医療機関の看護師から得る情報で、優先度が高いのはどれか。
1.医療処置の指導内容
2.経済的な問題への対応
3.介護サービス利用の有無
4.訪問看護指示書の記載内容
午後問題71 解答 1
午後問題71 解説 在宅医療に移行するために、患者の医療処置をどの程度まで指導したのかを知ることが最も優先度が高い。
午後問題72 健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。
1.サービス対象は65歳以上である。
2.介護支援専門員がケアプランを作成する。
3.末期の悪性腫瘍の療養者への訪問回数に制限はない。
4.特定疾患医療受給者証を持っている者は自己負担額1割である。
午後問題72 解答 3
午後問題72 解説 介護保険の場合はケアプランが必要である。
午後問題73 Aさんは、1人で暮らしている。血管性認知症があり、降圧薬を内服している。要介護1で、週3回の訪問介護と週1回の訪問看護を利用している。最近では、Aさんは日中眠っていることが多く、週1回訪ねてくる長男に暴言を吐くようになっている。
Aさんの長男の話を傾聴した上で、訪問看護師の長男への対応で最も適切なのはどれか。
1.デイサービスの利用を提案する。
2.Aさんを怒らせないように助言する。
3.Aさん宅に行かないように助言する。
4.薬の内服介助をするように提案する。
午後問題73 解答 1
午後問題73 解説 独居なので、社会的資源を利用して他者からの刺激をもらう機会を増やす。
午後問題74 在宅酸素療法(1L/分24時間)を行っている療養者の居住地域で2週間後に日中3時間の停電が予定されている。
停電への対応で最も適切なのはどれか。
1.事前の呼吸訓練
2.医療機関への入院
3.自家発電器の購入
4.携帯用酸素ボンベの準備
午後問題74 解答 4
午後問題74 解説 在宅療養では、金銭負担の生じない対策を最優先で考える必要がある。
午後問題75 病院における医療安全管理体制で正しいのはどれか。
1.特定機能病院の医療安全管理者は兼任でよい。
2.医療安全管理のために必要な研修を3年に1度行う。
3.医療安全管理のための指針を整備しなければならない。
4.医薬品安全管理責任者の配置は義務づけられていない。
午後問題75 解答 3
午後問題75 解説 医療法第11条に医療安全管理のための指針の整備が規定されている。
午後問題76 大規模災害時のトリアージで緊急度が最も高いと判断されるのはどれか。
1.下腿に創傷があるが補助があれば歩行できる。
2.自発呼吸はあるが橈骨動脈は触知できない。
3.気道確保しても自発呼吸がない。
4.開眼・閉眼の指示に応じる。
午後問題76 解答 2
午後問題76 解説 生命を救うために、直ちに処置を必要とするもの。窒息、多量の出血、ショックの危険のあるものが最優先治療群とされている。
午後問題77 災害の慢性期(復興期)における避難所内の看護師の役割で最も適切なのはどれか。
1.住宅支援
2.感染予防
3.安全な避難と誘導
4.居住スペースの確保
午後問題77 解答 2
午後問題77 解説 慢性期は自立支援、心のケア、避難所での慢性疾患、高血圧症、慢性呼吸不全、上気道感染症などに対する看護を行う。
午後問題78 国際連合児童基金〈UNICEF〉の報告(2006年)による5歳未満児の死亡率が最も高い地域はどれか。
1.アフリカ
2.東南アジア
3.北アメリカ
4.東ヨーロッパ
午後問題78 解答 1
午後問題78 解説 西部・中部アフリカが最も高く、先進国は低い。
午後問題79 Aさんは、3年前に来日した外国人でネフローゼ症候群のため入院した。Aさんは日本語を話し日常会話には支障はない。Aさんの食事について、文化的に特定の食品を食べてはいけないなどの制限があるがどうしたらよいかと、担当看護師が看護師長に相談した。
担当看護師に対する看護師長の助言で最も適切なのはどれか。
1.日本の病院なので文化的制限には配慮できないと話す。
2.文化的制限は理解できるが治療が最優先されると話す。
3.Aさんの友人から文化的制限に配慮した食事を差し入れてもらうよう話す。
4.文化的制限に配慮した食事の提供が可能か栄養管理部に相談するよう話す。
午後問題79 解答 4
午後問題79 解説 宗教や文化背景を考慮にいれた食事を提供できないのかを検討する。
午後問題80 血液検査で抗凝固剤が入っている採血管を使用するのはどれか。
1.血球数
2.電解質
3.中性脂肪
4.梅毒抗体
5.交差適合試験
午後問題80 解答 1
午後問題80 解説 一般血液検査(血球数算定など)用抗凝固剤としてはEDTA-2Kが用いられる。
午後問題81 市町村の業務でないのはどれか。
1.妊娠届の受理
2.母子健康手帳の交付
3.乳児家庭全戸訪問事業
4.3歳児健康診査
5.小児慢性特定疾患公費負担医療給付
午後問題81 解答 5
午後問題81 解説 小児慢性特定疾患公費負担医療給付は都道府県の業務である。
午後問題82 糖尿病神経障害のある患者へのフットケアの説明で適切なのはどれか。
1.「靴は大きめのサイズがよいです」
2.「靴下を履くようにしてください」
3.「1週間に1回は足の観察をしてください」
4.「足の傷は痛くなったら受診してください」
5.「外出後は足をアルコールで消毒しましょう」
午後問題82 解答 2
午後問題82 解説 糖尿病神経障害のある患者へのフットケアは足の保護は基本である。
午後問題83 Ⅳ型(遅延型)アレルギー反応について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.IgE抗体が関与する。
2.肥満細胞が関与する。
3.Tリンパ球が関与する。
4.ヒスタミンが放出される。
5.ツベルクリン反応でみられる。
午後問題83 解答 3,5
午後問題83 解説 ツベルクリン反応はⅣ型アレルギー反応である。
午後問題84 肝硬変でみられる検査所見はどれか。2つ選べ。
1.血小板増多
2.尿酸値上昇
3.血清アルブミン値低下
4.血中アンモニア値上昇
5.プロトロンビン時間短縮
午後問題84 解答 3,4
午後問題84 解説 肝硬変はタンパクの合成能が低下する
午後問題85 膀胱留置カテーテル挿入中のシャワー浴について適切なのはどれか。2つ選べ。
1.実施前に蓄尿バッグを空にする。
2.シャワー中はカテーテルを閉鎖する。
3.蓄尿バッグは腰より高い位置にかける。
4.終了後は挿入部をエタノールで消毒する。
5.終了後はカテーテルを固定するテープの位置を変える。
午後問題85 解答 1,5
午後問題85 解説 膀胱留置カテーテル挿入中のシャワー浴後は濡れているので新しいものに取り替える。
午後問題86 潰瘍性大腸炎と比べたCrohn〈クローン〉病の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.悪性化の頻度は低い。
2.瘻孔を併発しやすい。
3.初発症状は粘血便である。
4.炎症は大腸に限局している。
5.好発年齢は50歳以上である。
午後問題86 解答 1,2
午後問題86 解説 クローン病は非連続性の病変が特徴である。
午後問題87 抗甲状腺ホルモン薬の副作用はどれか。2つ選べ。
1.多 毛
2.眼球突出
3.中心性肥満
4.肝機能障害
5.無顆粒球症
午後問題87 解答 4,5
午後問題87 解説 抗甲状腺ホルモン薬の副作用は白血球減少症と肝機能障害が常用である。
午後問題88 胎児と胎児付属物について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.妊娠4週では、Doppler〈ドプラ〉法で胎児心音が聴取できる。
2.妊娠12週では、胎盤が完成している。
3.妊娠24週では、胎児の呼吸様運動がみられる。
4.妊娠26週では、胎児の胎位は固定している。
5.妊娠36週では、肺胞内に十分な肺表面活性物質が分泌されている。
午後問題88 解答 3,5
午後問題88 解説 妊娠9か月頃まで胎児の胎位は可動する。
午後問題89 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律により、病院の管理者が精神科病院に入院中の者に対して制限できるのはどれか。2つ選べ。
1.手紙の発信
2.弁護士との面会
3.任意入院患者の開放処遇
4.信書の中の異物の受け渡し
5.人権擁護に関する行政機関の職員との電話
午後問題89 解答 3,4
午後問題89 解説 通信、面会の自由は通常保証される。
午後問題90 「フルセミド注15mgを静脈内注射」の指示を受けた。注射薬のラベルに「20mg/2ml」と表示されていた。
注射量を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。
解答:①.② ml
① ②
0 0
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
6 6
7 7
8 8
9 9
午後問題90 解答 1,5
午後問題90 解説 15mg÷10mg=1.5mlの注射量が必要である。