次の文を読み午後問題1~3に答えよ。
67歳の女性。元教師。夫と二人暮らしであったが3か月前から長男夫婦と同居している。パーキンソン病で5年前からL-ドーパを服用している。上下肢の振戦、小きざみ歩行および無動は続いていた。3週前から「夫と嫁は関係がある。」、「人が私を埋めるための穴を掘っている。」等の妄想が出現し入院した。入院後、薬物の調整とリハビリテーションが行われた。患者は夫の面会日には朝から化粧をして待っているが、夫は「介護に疲れた。」と言っている。
午後問題1 入院時のアセスメントで適切なのはどれか。
1.パーキンソン病の悪化
2.抗パーキンソン病薬の副作用
3.環境変化による不適応
4.知能の低下
午後問題2 リハビリテーション看護で適切なのはどれか。
1.主にベッド上での運動を勧める。
2.書字練習は避ける。
3.歩行時、杖の使用を勧める。
4.化粧については無関心を装う。
午後問題3 被害妄想の言動もみられなくなり、退院の許可が出された。
家族への指導として適切なのはどれか。
1.散歩は控えるように助言する。
2.夫と二人で生活するように助言する。
3.間違った言動はそのつど正すように勧める。
4.ショートステイの利用方法を説明する。

次の文を読み午後問題4~6に答えよ。
58歳の男性。自営業。10年前に健康診断で心雑音を指摘されたが、仕事が忙しく、自覚症状もないため精密検査を受けていなかった。半年前から息切れがするようになった。1週前に風邪をひき、息苦しさが増強したため受診した。僧帽弁狭窄症、心房細動および心不全と診断され入院した。体温36.2℃。脈拍数130/分、不整。呼吸数28/分。血圧104/65mmHg、動脈血酸素分圧(PaO2)60mmHg、動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)35mmHg。下肢に浮腫があり、口唇に軽度チアノーゼがみられる。
午後問題4 入院時のアセスメントで適切なのはどれか。
1.体外式ペースメーカーの装着が必要な状態である。
2.中心静脈圧(CVP)は低下しやすい。
3.起座呼吸になりやすい。
4.起立性低血圧を起こしやすい。
午後問題5 入院時の看護で適切なのはどれか。
a.水分の出納バランスに注意する。
b.脈拍と心拍との同時測定を行う。
c.血圧の上昇に注意する。
d.ベッド上での絶対安静の維持を説明する。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題6 強心薬、利尿薬の与薬により。NYHA心臓機能分類Ⅰ度にまで回復した。
退院後の生活指導で適切なのはどれか。
a.感染症は心不全の急性増悪因子となる。
b.自覚症状がなければ利尿薬の使用は自己管理とする。
c.運動をして心臓の予備能力を高める。
d.仕事について家族を含め相談する。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d

次の文を読み午後問題7~9に答えよ。
47歳の男性。5年前に肝硬変と診断され、これまでに2回入院している。今朝、約1,000ml吐血して緊急入院した。体温36.0℃。脈拍数112/分。呼吸数28/分。血圧86/52mmHg。顔色不良で冷汗がある。意識は清明で不安気な表情である。赤血球290万/mm3、Hb9.0g/dl。血清総ビリルビン3.5mg/dl、血清アンモニア150mg/dl。
午後問題7 入院時のアセスメントで適切でないのはどれか。
1.食道静脈瘤の破裂が考えられる。
2.致命的出血になる可能性が高い。
3.昏睡に陥る可能性がある。
4.閉塞性黄疸が考えられる。
午後問題8 処置の準備で優先度が低いのはどれか。
1.肝生検
2.酸素吸入
3.ゼングスターケン ブレイクモア(S-B)管の挿入
4.血管確保
午後問題9 入院後の情報で優先度が低いのはどれか。
1.1時間尿量の減少
2.腸蠕動の亢進
3.脈拍数の上昇
4.血圧の上昇

次の文を読み午後問題10~12に答えよ。
35歳の男性。会社員。5年前から高血圧を指摘されていたが、そのままにしていた。今回、風邪をひいた後から全身倦怠感、嘔気・嘔吐、頭痛、呼吸困難、乏尿および浮腫が出現して慢性腎不全と診断され緊急入院した。体重60.0kg。血圧178/108mmHg。Hb5.0g/dl。血清尿素窒素72mg/dl、血清クレアチニン9.0mg/dl。血清カリウム6.8mEq/L。翌日、血液透析のため内シャント造設を行う予定となり、病状、透析の必要性および内シャント造設術に関する説明が行われた。患者はこれらの説明を理解し同意したが、将来について不安な強い。
午後問題10 入院時のアセスメントで適切でないのはどれか。
1.貧血状態が考えられる。
2.慢性腎不全の代償期と考えられる。
3.高窒素血症が考えられる。
4.急性肺うっ血の状態が考えられる。
午後問題11 透析導入前の看護で適切でないのはどれか。
1.採血は利き腕の方で行う。
2.透析を受けながら社会復帰している人と話す機会をつくる。
3.頭痛や嘔気は透析を開始すればすぐに軽減すると説明する。
4.社会復帰後はスポーツや旅行も可能であると説明する。
午後問題12 透析開始後の食事療法で適切なのはどれか。
a.塩分の摂取量は5g/日とする。
b.タンパク質の摂取量は50g/日とする。
c.エネルギー量は1,200kcal/日とする。
d.1日の飲水量は前日の尿量に100ml加えた量とする。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d

次の文を読み午後問題13~15に答えよ。
27歳の女性。夫と3歳の娘との三人暮らし。2週前から全身倦怠感があり、3日前から39℃前後の発熱、歯肉の腫脹および両大腿部の皮下出血がみられ入院した。体温38.6℃。脈拍数 98/分。白血球 51,800/mm3、赤血球 286万/mm3、Hb8.0g/dl、血小板14,000/mm3、フィブリノゲン450mg/dl、CRP0.5mg/dl。急性骨髄性白血病と診断され、寛解導入療法が開始された。
午後問題13 入院時のアセスメントで適切なのはどれか。
a.歯肉部に白血病細胞の浸潤が考えられる。
b.細菌感染の合併が考えられる。
c.鉄欠乏性貧血が考えられる。
d.溶血性尿毒症症候群が考えられる。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題14 入院中の看護で適切なのはどれか。
a.下肢のマッサージを行う。
b.果物を勧める。
c.排便時には努責しないように説明する。
d.ポピドンヨード含嗽液でうがいをするように説明する。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d
午後問題15 寛解導入療法中の看護で適切でないのはどれか。
1.子どもの面会は制限することを説明する。
2.月経時にはタンポンの使用を勧める。
3.血圧測定はすばやく行う。
4.排便後は肛門部を洗浄するよう説明する。

次の文を読み午後問題16~18に答えよ。
28歳の女性。夫と二人暮らしで共働きをしている。通勤途中、急に下腹部の痛みがあり救急車で来院した。問診と検査の結果、免疫学的妊娠反応陽性であり、直ちに超音波診断法とダグラス窩穿刺とが行われた。妊娠7週、子宮外妊娠と診断され入院した。体温36.3℃。脈拍数94/分。呼吸数20/分。血圧96/64mmHg。顔色は青白くうっすらと汗をかき腹部を押さえていた。時々嘔気があった。
午後問題16 入院時のアセスメントで適切でないのはどれか。
1.尿量の減少が考えられる。
2.低血糖が考えられる。
3.腸蠕動の低下が考えられる。
4.ショック状態が考えられる。
午後問題17 ダグラス窩穿刺の準備で適切なのはどれか。
1.体位はシムス位にする。
2.トラカール針を用意する。
3.頭部の剃毛を行う。
4.滅菌シャーレを用意する。
午後問題18 入院時の看護で適切なのはどれか。
1.飲食の禁止
2.腹部の温罨法
3.頭部の挙上
4.高圧浣腸の準備

次の文を読み午後問題19~21に答えよ。
55歳の男性。妻と長男との三人暮らし。嗜好はたばこ10本/日。趣味は旅行である。2か月前から便に血液の混入があり、最近、便柱が細くなったので来院した。内視鏡検査の結果、直腸がんと診断され手術目的で入院した。身長175cm、体重70kg。Hb12.0g/dl。血清総タンパク8.4g/dl、血清アルブミン5.0g/dl。医師から、人工肛門造設の説明を受けて同意した。腹会陰式直腸切断術および人工肛門造設術が行われた。術後、妻に「ストマを見たくない。」と言っていたが、自分でパウチ交換ができるようになった。排尿障害はみられたが、順調に回復し退院した。
午後問題19 術前の看護で優先度が低いのはどれか。
1.呼吸訓練
2.低残渣食の摂取
3.栄養状態の改善
4.排泄路変更の受容の観察
午後問題20 術後の看護で適切でないのはどれか。
1.面会の制限
2.ストマケア自立への援助
3.ボディイメージ変化に対する援助
4.排尿訓練
午後問題21 退院指導で正しいのはどれか。
a.性生活について夫婦一緒に説明を受ける。
b.旅行は控えるよう説明する。
c.水分を控えるよう説明する。
d.人工肛門用装具の選択について説明する。
1.a、b 2.a、d 3.b、c 4.c、d

次の文を読み午後問題22~24に答えよ。
48歳の女性。自宅にてガスストーブの火がスカートに燃え移り熱傷を負った。救急車が来るまで、ぬれた毛布にくるまりうずくまっていた。来院時、右上肢、腹部、臀部および両大腿部に水疱、びらんを形成していた。強い痛みを訴え全身を震わせるなどの緊張状態であった。熱傷の深さは真皮浅層までであり、面積は40%である。
午後問題22 熱傷の程度はどれか。
1.熱傷Ⅰ度
2.熱傷Ⅱ度
3.熱傷Ⅲ度
4.炭 化
午後問題23 入院直後に起こりやすい病態で誤っているのはどれか。
1.電解質の異常
2.ショック
3.感 染
4.拘 縮
午後問題24 入院直後の受傷部の処置で適切でないのはどれか。
1.水疱を破り滲出液を排出する。
2.ヒビテン液で消毒する。
3.熱傷部位は無菌操作で清潔に保つ。
4.ガーゼ交換は汚染のたびに行う。

次の文を読み午後問題25~27に答えよ。
51歳の男性。交通事故を起こし、救急車で搬送された。入院時の意識は清明である。体温37.3℃。脈拍数108/分。呼吸数14/分。血圧128/80mmHg。肩の外転と肘の屈曲のみ可能で、体幹、手指および下肢の自動運動はみられなかった。頭部および頸部エックス線CT、頸部エックス線単純撮影により第6頸椎の脱臼骨折および頸髄損傷がみられ、第5頸髄性四肢麻痺と診断された。
午後問題25 入院直後の看護で適切でないのはどれか。
1.人工呼吸器の準備
2.頭蓋骨牽引の準備
3.全身の合併損傷の観察
4.膀胱留置カテーテルの準備
午後問題26 急性期の看護で適切でないのはどれか。
1.体位変換のスケジュールを作る。
2.心理的支援を行う。
3.体温調節を図る。
4.高圧浣腸を行う。
午後問題27 急性期から脱した時点で、麻痺の高位は変わりなく、仙髄域の知覚・運動の残存もみられなかった。
予後として考えられるのはどれか。
1.自分で食事動作ができる。
2.自分で車椅子に移動できる。
3.座位を保持できる。
4.歩行できる。

次の文を読み午後問題28~30に答えよ。
73歳の女性。45歳のときに高血圧と診断されたが、「薬が合わない。」と言って治療を中断していた。夕食時、頭痛と嘔気があり、数回吐いて、動けなくなり来院した。体温37.5℃。脈拍数50/分。呼吸数10/分。血圧270/130mmHg。意識レベルⅡ-10~Ⅱ-20(3-3-9度方式)、左片麻痺が認められた。頭部エックス線CTの結果、右被殻部に出血を認めた。高血圧性脳出血と診断された。意識レベルが低下したので検査を受けた。その結果、血腫が増大していたため、開頭血腫除去術が行われた。
午後問題28 入院直後の処置で適切でないのはどれか。
1.高浸透圧利尿薬の与薬
2.降圧薬の与薬
3.温罨法
4.酸素療法
午後問題29 入院直後の体位で適切なのはどれか。
1.起座位
2.トレンデレンブルグ位
3.ファウラー位
4.水平位
午後問題30 術後は順調に経過し、意識レベルⅠ-2に改善したが左片麻痺は残存した。
開頭術後3日の看護で適切なのはどれか。
1.膀胱留置カテーテルの継続
2.食事の全面介助
3.下肢の挙上
4.関節の他動運動