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看護実習のコツ

看護実習のコツより引用

「実習のコツ」13ページから、17ページを掲載。「実習のコツ」の冊子希望者は、LINE登録から

糖尿病を発症すると、どのような症状が出てくるのでしょうか。

例えば、三大合併症。神経障害、網膜症、腎症があります。糖尿病では、免疫力が下がり、易感染状態となります。

 

三大合併症と易感染状態

 
易感染状態の患者様について考えてみましょう。例えば、風邪を引きやすいとか。みずむしなどの白癬菌に感染しやすいでしょうし、免疫力が下がってくるとちょっとした無理がきかなくなるということも想定する必要があります。風邪を引きやすいと分かっていて無理をさせる人はいないでしょう。
 
では三大合併症はどうでしょうか。まず神経障害を考えてみると、末梢神経の障害により、親指の付け根の先がジンジン痛む、というような感覚器障害が起こります。
 
神経にはいろいろ種類があり、末梢神経の他に自律神経があります。糖尿病ではこの自律神経も障害されますが、自律神経が障害されるとどういった症状が出るのでしょうか。自律神経がどういったはたらきをするのかという点から説明していきたいと思います。 
 

末梢神経の障害が起こると?

  
感覚障害が起こると、足に怪我をしても分からない。靴擦れで足に傷ができても、自覚症状がないため、そのまま放っている、それが神経障害です。

 

そもそも、自律神経のはたらきとは?

  
自律神経を理解するのは興奮とリラックスをイメージするとよいでしょう。興奮するというのは交感神経が優位になっている状態、リラックスしているというのは副交感神経が優位になっている状態をいいます。この興奮とリラックスのバランスが上手くいかなくなるのが自立神経障害です。
 
具体的にどういった症状がでてくるのでしょう。
 

 
例えば、血圧。
血圧を調整しているのは自律神経です。興奮すると交感神経が優位になり血圧が上昇します。リラックスしているときは副交感神経が優位になり、血圧が下がります。
 
糖尿病ではこの調節が上手くできなくなくなるため、起立性低血圧という症状が多くみられます。寝ているときはリラックスして血圧は下がっています。朝起きて、立とうとすると興奮して血圧を上げようとします。
 
糖尿病では自律神経が障害されているため、それが追い付かないのです。

 
自律神経は消化器の動きもコントロールしています。
 
消化器の中でも腸の動きに着目してみましょう。腸の蠕動運動も自律神経によって支配されています。 リラックスしていると蠕動運動は亢進し、興奮すると蠕動運動は抑制されます。
 
自律神経が障害されるとこの調整が上手くできません。そのため腸の蠕動運動が著しく亢進したり低下したりと、下痢や便秘が起こります。実際には便秘傾向になり、出ると下痢になってしまいます。 
 

失明者が増加中の網膜症

 
糖尿病性網膜症で毎年、数千人の方が失明され、光が奪われています。糖尿病がすすむと網膜の微小血管に出血が起こり、その出血が原因で周りに光を取り入れられなくなります。光で目が見えているわけですから、光が取り入れられなくなると視力が障害されます。これが『糖尿病性網膜症』です。
 
 

 

糖尿病性腎症とは?

 
糖尿病が進行すると足がむくんでしまう、尿が出にくくなる、腎臓機能が低下するというネフローゼ性の腎症へと傾いていくのです。
 
このような腎症のこと、目のこと、神経障害のこと、免疫力のことなど、さまざまな影響というものが存在するんです。それが、進行する結果を次のところで学習します。 
 

看護の展開の第一歩は?

  
まずは、どのように糖尿病になったかというメカニズムを考えて 糖尿病を理解する。そして糖尿病ではどういった症状が起こるのかを理解します。そして、問題解決能力を使って症状を改善するためにはどうすればよいかを考えていきます。
 

食事療法

糖尿病は慢性疾患ですので日頃の生活が大きく影響します。
糖尿病の原因の一つに肥満があります。肥満ということは栄養過多ということが想定され、糖尿病の人には栄養を摂り過ぎないように食事指導をする必要があります。では食事指導をするためには何をしなければいけないのか、皆さん、考えてみましょう。
 
『食べないでください』というのが本質でしょうが、頭ごなしにいってみたり、押し付けたりしても無駄です。糖尿病のように慢性疾患に罹患している人はそんなことをずっと前から言われ続けているのです。それでも食べてしまうから、糖尿病を患っているといえます。
 
その人がいかに、食事をうまくコントロールして、血糖値が上がらないような食習慣を身に付けるかがポイントとなります。 
 
例えば、私のような食生活の人の場合、本当は食事を朝昼晩と3回きっちりと摂りたいところですが、なかなか難しいのが現実です。そこで角度を変えて、 4回食事を摂る。というのも解決策の一つです。夜11時頃にドカッと夕飯を食べるのではなく、夕方5時か6時に少し おやつでもつまんで、夜は少し空腹を満たす程度で終わる。この解決策だと食事回数は増えますが、食事量は減らせる可能性があります。空腹感を無理なくコントロールできるので長続きすることも期待できます。 
 
また、家族の協力を得るのも栄養療法で重要なポイントです。患者様が他の家族に食事を作ってもらっている場合は勿論ですが、自炊している人が自分の好きなものだけを好きなように作る傾向があれば、誰かがチェックする必要があります。
 
そのチェックは家族が最も適しています。患者様本人が食事を作っていても、作っていなくても家族に栄養指導をしていくのは重要です。
  

運動療法

運動療法をするといっても『グランドを10周走って来い』というのは無理な話しです。
 
君がいわれても無理ですよね?
 患者様も同じです。ではどういった運動が運動療法として適しているのでしょうか。例えば、自転車で通勤・通学している場合には、自転車のギアを1段落として重たい状態で通勤してみるのも一つでしょう。一駅早めに降りて会社まで徒歩で行くというのも一つです。このようにいつもの運動にひと工夫加えるのがポイントです。
 
基本的には2日に1回運動するのが良いといわれています。運動習慣がない人でも、運動を始める場合には2日に1回を心掛けるとよいでしょう。朝、散歩をすると決めたなら、2日に1回を目安にします。この散歩を習慣付けるのが大切です。
 
多少の運動習慣がある人も、運動習慣がない人もいかに長続きさせるかがポイントであり、そのために必要なのが無理をさせないということです。これには患者様の生活習慣に運動習慣が根付くように調整する必要があります。
 
一緒に患者様と運動療法への取り組みを考えてみましょう。
 

網膜症への対応

網膜症があるのならば、当然、視力障害があるでしょうから、視力障害の度合いに応じて対応が必要となります。
 
具体的にいうと付近に危険なものを置かない、カーテンの閉じ具合を調整するといったことが予想されます。また、まぶしくない程度に窓を開けるのも一つです。
 
糖尿病性網膜症は失明の危険性のある病気です。受け持った患者様がすでに失明してしまっている場合には同じ視力障害でも対応を切り替える必要があります。
 

腎症への対応

腎臓が悪くなったら、これ以上腎臓が悪くならないためにタンパク質を取らないように指導することが重要です。しかし、腎臓には、ある程度の栄養が必要です。タンパク質以外で栄養を摂らなければならない・・・となるとどうすればいいか。皆さん、考えてみましょう。
 
栄養素には三大栄養素といわれるように大きくわけて三つがあります。炭水化物、タンパク質、脂質です。このうちタンパク質を摂取できないとなると、炭水化物、脂質で補うことを考えますよね?
 

運動習慣や食習慣などの極端な生活習慣が、病気へと進展していくのです。

 

でもここで問題があります。炭水化物・・・

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